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東レ、レミッチ®(ナルフラフィン)用途発明に係る延長特許権侵害訴訟で扶桑薬品工業に対し損害賠償請求金額を82億円に拡張へ

扶桑薬品⼯業からの2024年3月27日付プレスリリース(「当社に対する特許権侵害差⽌等請求訴訟の請求拡張の申⽴てに関するお知らせ」)によると、知財⾼裁に係属中である経⼝そう痒症改善剤レミッチOD錠2.5μgの後発医薬品「ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg『フソー』」(以下「本製品」)に関する特許権侵害差⽌等請求訴訟において、東レは、扶桑薬品⼯業に対する損害賠償請求⾦額を4,000万円及び遅延損害⾦から82億2,400万8,843円及び遅延損害⾦に拡張する旨の「訴えの変更申⽴書」を提出したとのことです。

2022年10月7日の東レのプレスリリースによると、知財高裁からは、扶桑薬品工業に対して、本製品の製造販売差止仮処分命令が発出されていました(沢井製薬株式会社および扶桑薬品工業株式会社に対するレミッチ®OD錠後発医薬品の製造販売差止仮処分命令について)。

本件訴訟の対象となっている用途発明に係る特許権(特許第3531170号、延長登録:特願2017-700154号及び特願2017-700310号)の存続期間は2022年11月21日には満了していることから、現在は、後発医薬品の製造販売停止命令は解除されているはずであり、扶桑薬品工業がそのプレスリリースで述べているとおり、「本製品の製造販売については、本件訴訟の影響も含めて何ら問題はな(い)」といえるでしょう。

しかし、差止仮処分命令が発出されたことや今回の損害賠償請求の大幅な増額の申立てがあったことから、現在、知財高裁では、特許権存続期間中に被った損害額を中心に争われている(過去の本製品の製造販売行為は特許権侵害であったとの判断へ審理は動いている)と推測され、裁判所が認定する額次第では扶桑薬品工業の業績に大きな影響を与えることになるかもしれません。

Fubuki
Fubuki

扶桑薬品⼯業に対して82億円の損害賠償請求・・・。となると沢井製薬に対しては一体いくらを請求しているのでしょうか。

本件訴訟の経緯は、以下の記事をご覧ください。

東レ レミッチ®(ナルフラフィン)用途発明に係る延長特許権侵害訴訟で知財高裁が沢井・扶桑に対して後発医薬品の製造販売差止仮処分命令を発出
経口そう痒症改善剤レミッチ®の後発医薬品(ナルフラフィン塩酸塩OD錠)を製造販売する沢井製薬および扶桑薬品工業に対して、ナルフラフィンの用途発明に係る延長された特許権を侵害していると主張して、東レが提起した訴訟で、知財高裁は、当該後発医薬品の製造販売の差止仮処分命令を発出したようです。 1.東レからのプレスリリース 2022年10月7日の東レのプレスリリースによると、同日、知財高裁から沢井製薬およ...

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