2023年4月25日、BMS社(BRISTOL-MYERS SQUIBB CO.)、小野薬品工業(ONO PHARMACEUTICAL CO., LTD.)、本庶佑氏(DR. TASUKU HONJO)、そしてダナ・ファーバー癌研究所(DANA-FARBER CANCER INSTITUTE, INC.)は、アストラゼネカ社(ASTRAZENECA PHARMACEUTICALS LP and ASTRAZENECA UK LTD.)に対して、アストラゼネカ社の抗PD-L1抗体Imfinzi®(durvalumab)の米国での販売行為等が、米国特許第9,402,899号(「’899特許」※米国ではいわゆる「本庶・フリーマン特許」として知られているもののひとつ)を侵害していると主張し、米国デラウェア州連邦地方裁判所に訴訟を提訴したと報じられています。
‘899特許のClaim 1:
A method of treating a tumor in a human patient in need thereof comprising
administering to the human an effective amount of an anti-PD-L1
monoclonal antibody that inhibits an interaction between PD-1 and PDL1,
wherein the anti-PD-L1 monoclonal antibody treats the tumor in the patient.
BMS社のSEC filing 10-Q Quarterly Report(Apr 27, 2023)によると、2022年3月17日、BMS社は、アストラゼネカ社に対し、アストラゼネカ社による抗PD-L1抗体Imfinzi®(durvalumab)の販売は、米国特許第9,580,505号、第9,580,507号、第10,136,299号、第10,308,714号、第10,266,593号、および第10,266,503号を侵害すると主張して、米国デラウェア州連邦地方裁判所に訴訟を提起しており、トライアルは2024年4月22日に開始されることが予定されています。
今回、いわゆる「本庶・フリーマン特許」(※)についても侵害すると主張して、BMS社らが同裁判所へ追加訴訟を提起したということになります。
この特許については話題が尽きないですね
なお、小野薬品工業は、日本ではいわゆる「本庶特許」として知られる特許のうち、抗PD-L1抗体に関する日本特許(第5885764号、第6258428号)に基づき、「イミフィンジ®」(一般名:デュルバルマブ)を日本で販売しているアストラゼネカ社に対して、それら特許権の侵害であると主張して、2022年2月28日に差止請求及び損害賠償請求訴訟(訴額約320億円)を東京地方裁判所に提起していると発表しています。
- 小野薬品がイミフィンジ®を販売するアストラゼネカに対して抗PD-L1抗体に関する特許権侵害差止・損害賠償請求訴訟を提起(訴額は約320億円)
- 2022.02.28 小野薬品工業 press release: アストラゼネカ株式会社に対する特許侵害訴訟の提起について
※米国’899特許、いわゆる「本庶・フリーマン特許」または「本庶特許」について紹介したシリーズ記事:
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