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中外、ロシュ、ジェネンテック ALK阻害剤Alecensa(アレセンサ)®のANDA訴訟でFreseniusと和解

2022年8月8日付の中外製薬プレスリリース「米国における特許権侵害訴訟の和解に関するお知らせ」によると、中外製薬、ロシュ社およびジェネンテック社(以下、中外製薬ら)は、2020年3月19日に米国デラウエア州連邦地方裁判所に提起したアレセンサ(Alecensa)®の後発医薬品に対する特許権侵害訴訟(case number 1:20-cv-00394)に関し、2022年8月5日に、Fresenius Kabi USA, LLC(以下、Fresenius社)と和解契約を締結したとのことです。

アレセンサ(Alecensa)®は、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)に対して選択的阻害活性を有するアレクチニブ塩酸塩(alectinib hydrochloride)を有効成分とする抗悪性腫瘍薬です。日本では2015年9月2日に中外製薬が承認を所得し、米国では2015年12月11日にロシュ社が承認を取得しました。

RocheのFull-Year 2021 Presentation with appendix(2022年2月3日)によると、Alecensa®の2021年度salesは、グローバルでCHF1,356m、米国でCHF366m、欧州でCHF297m、日本でCHF247mとなっています。中外製薬の2021年12月期連結決算補足資料によると、アレセンサ®の2021年度(通期)売上高は、国内で277億円、海外で501億円(うちロシュ社向け輸出は482億円)となっています。

本訴訟において、米国における医薬品価格競争および特許期間回復法(Drug Price Competition and Patent Term Restoration Act、いわゆるハッチ・ワックスマン法)に基づき、中外製薬らはFresenius社が米国食品医薬品局へ提出したアレセンサ®(Alecensa®)の後発医薬品の簡略新薬承認申請(Abbreviated New Drug Application:ANDA)が、中外製薬保有の米国特許(第9,126,931号、第9,440,922号、第9,365,514号および第10,350,214号)の特許権を侵害していると主張していました(参照: 2020.03.23 記事「中外がFreseniusによるAlecensa(アレセンサ)®のANDAに対して特許侵害訴訟提起」)。

中外がFreseniusによるAlecensa(アレセンサ)®のANDAに対して特許侵害訴訟提起
2020年3月23日付の中外製薬プレスリリースによると、中外製薬、ロシュ社およびジェネンテック社は、2020年3月19日(米国現地時刻)、Fresenius Kabi USA, LLCがFresenius Kabi Oncology LimitedおよびFresenius SE & Co. KGaAと共同してアレセンサ(Alecensa)®に対するANDAをFDAに提出したことが、中外製薬が保有す...

本和解契約の締結に伴い、中外製薬らは、Fresenius社と共同で、下記の特許権侵害訴訟の取り下げ手続きを行うとのことです。

Alecensa®のOrangebookによると、各米国特許満了日は以下の通りとなっています。

  • 9,126,931(物質特許): 2031年5月29日
  • 9,365,514(製剤特許): 2032年3月4日
  • 9,440,922(医薬用途特許): 2030年6月9日
  • 10,350,214(製剤特許): 2035年4月24日

和解内容については明らかにされていません。

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