2021年3月31日付、田辺三菱製薬のプレスリリース「米国におけるカナグリフロジン水和物 特許侵害訴訟の地裁勝訴について」によると、田辺三菱製薬がJanssen Pharmaceuticals, Inc.等と共同で、米国のニュージャージー連邦地方裁判所に提起していた、カナグリフロジン水和物(米国製品名INVOKANA®/INVOKAMET®)に関する特許侵害訴訟において、3月22日、同裁判所は、「カナグリフロジン水和物の有効成分を保護する米国物質特許(以下、「本件特許」)は有効であり、本件特許が満了する2027年7月14日(小児臨床試験の実施に基づく6か月間の排他期間の追加の可能性あり)より早く、米国においてカナグリフロジン水和物の後発品は承認されない」との判決を下したとのことです。
この判決は、Zydus Pharmaceuticals, Inc.が、カナグリフロジン水和物の後発品をFDAにANDAするにあたり、本件特許の無効を主張したものの、本件特許は有効であり、田辺三菱製薬を含む原告の権利行使が可能であると認めたものです。
当初特許侵害訴訟の被告であった他の後発品会社4社(Aurobindo Pharma Ltd.、Invagen Pharmaceuticals, Inc.、Prinston Pharmaceuticals, Inc.、Sandoz, Inc.)は、既に本件特許の有効性を認め、訴訟の終結に同意しているそうです。
カナグリフロジン水和物(Canagliflozin Hydrate; 日本製品名はカナグル®)は、田辺三菱製薬で創製されたナトリウム-グルコース共輸送体(sodium glucose co-transporter;SGLT)2を標的とする2型糖尿病治療剤であり、米国においては、2013年より販売を開始し、日本をはじめ、欧州、オーストラリアなど、約100か国で承認されています。
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