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パロノセトロン塩酸塩(アロキシ®)に関する特許権について

2021年1月25日、ヘルシン・ヘルスケアSA及び大鵬薬品工業(株)より「パロノセトロン塩酸塩(アロキシ®)に関する特許権について」の謹告文が掲載されました(2021.1.25 日刊薬業 【謹告】パロノセトロン塩酸塩(アロキシ®)に関する特許権について)。

ヘルシン・ヘルスケアSAは、パロノセトロン塩酸塩をそれぞれ有効成分として含む医薬品「アロキシ®静注液0.75mg」及び「アロキシ®点滴静注0.5mg」に関する特許を保有しており、大鵬薬品工業(株)はヘルシン・ヘルスケアSAから、パロノセトロン塩酸塩を含む液体医薬組成物についての独占通常実施権(日本特許5461763号、第5690461号、第5893950号及び第6342960号)及び販売権を取得しているとのことです。

アロキシ®のジェネリック参入の動きについては、以下の昨月記事「2020.12.15 「ヘルシン・大鵬薬品 v. ニプロ」 知財高裁令和元年(行ケ)10136・・・5-HT3受容体拮抗型制吐剤アロキシ®(パロノセトロン)のジェネリック参入の動き)」にまとめています。

2020.12.15 「ヘルシン・大鵬薬品 v. ニプロ」 知財高裁令和元年(行ケ)10136・・・5-HT3受容体拮抗型制吐剤アロキシ®(パロノセトロン)のジェネリック参入の動き
1.はじめに ヘルシン社のアロキシ®で訴訟と言えば、2019年初めに出された米国最高裁判決を連想する方もいるかも知れませんが、今回取り上げるのは日本の話、ヘルシン社が保有する「パロノセトロン液状医薬製剤」に関する特許5551658の無効審決取消訴訟です。被告(無効審判請求人)はニプロであり、原告である特許権者(ヘルシン社)側には実施権者である大鵬薬品が補助参加しました。 本件特許権は、ヘルシン社か...

コメント

  1. Fubuki Fubuki より:

    【追記】2021年2月15日、アロキシ®の後発医薬品が初承認(日医工と沢井)。そこにニプロの名はありませんでした。日医工と沢井は、有効成分パロノセトロンの濃度を変えて用法・用量特許5690461、5893950及び6342960を回避したようです。これら特許はいずれも「パロノセトロンの濃度が0.01~0.2mg/mlである注射用液体医薬組成物」が必須の構成要件でした。
    ・パロノセトロン静注0.75mg/2mL「日医工」
    ・パロノセトロン点滴静注バッグ0.75mg/100mL「サワイ」

    初後発医薬品のうちのひとつ、岡山大鵬薬品がアロキシ®のAG承認取得。
    ・パロノセトロン点滴静注バッグ0.75mg/50mL「タイホウ」
    ・パロノセトロン静注0.75mg/5mL「タイホウ」

    2021.02.15 岡山大鵬薬品 press release: 5-HT3受容体拮抗型制吐剤「パロノセトロン静注」「パロノセトロン点滴静注バッグ」製造販売承認取得のお知らせ
    https://www.okayama-taiho.co.jp/news/pdf/20210215.pdf

    2020年度の大鵬薬品によるアロキシ®国内売上収益は158億円であり、2021年度は105億円と予想されています(大塚ホールディングス2020年12月期決算補足資料(2021年2月12日発表)より)。
    https://www.otsuka.com/jp/financial/pdf.php?financial=727

  2. Fubuki Fubuki より:

    【追記】2021年6月17日、厚労省は後発医薬品など23成分178品目の薬価基準追補収載を官報告示、18日に収載。アロキシ静注0.75mg、アロキシ点滴静注バッグ0.75mg(パロノセトロン塩酸塩)に初の後発医薬品として岡山大鵬薬品のAGが収載。沢井・日医工のアロキシ後発品は収載されず・・・濃度違いにして用法用量特許回避に成功したと思っていたのですが・・・

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