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抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・(2)

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前回記事「抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・」

抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・
2020年6月19日に掲載された小野薬品の有価証券報告書(2020年3月期通期)によると、現在、米国CAFCにて、6つの米国特許(以下、「本庶特許」という)の発明者として本庶氏とともに研究に貢献したWood氏とダナファーバーがん研究所のFreeman氏の2名が共同発明者として追加されるべきか否かが争われているとのことです。 Patent NumberClaim 17,595,048A method...

2020年7月14日、CAFCは、抗PD-1抗体等に関する6つの米国特許(所謂「本庶特許」)の共同発明者として本庶氏とともに研究に貢献したWood氏とダナファーバーがん研究所のFreeman氏の2名が追加されるべきであるとした米国マサチューセッツ州連邦地裁判決を支持する判決を下しました(2020.07.14 DANA-FARBER CANCER INSTITUTE v. ONO PHARMACEUTICAL CO., LTD. CAFC No.2019-2050)。

In 1992, Dr. Honjo discovered PD-1 and theorized that it played a role in inhibiting the immune response. But despite having this knowledge, Dr. Honjo still enlisted collaboration with the Genetics Institute to search for ligands for PD-1. Even under Ono’s view of the facts, knowledge of PD-1 was itself insufficient for Dr. Honjo to conceive of the method claimed in the ’474 patent.

It is clear based on the record that Drs. Freeman and Wood both contributed to conception of the ’474 patent. Dr. Freeman connected the 292 sequence to PD-1 and directed important immunohistochemistry experiments revealing that several types of tumors express PD-L1. Dr. Wood provided Dr. Honjo with the first confirmation that the PD1/PD-L1 interaction was inhibitory, supported by experimental data. Drs. Freeman and Wood’s work on PD-L1, Dr. Wood’s discovery that the PD-1/PD-L1 interaction inhibits the immune response, and Dr. Freeman’s discovery of PD-L1 expression by human tumors were significant building blocks upon which the ’474 patent is built.

2020.07.14 DANA-FARBER CANCER INSTITUTE v. ONO PHARMACEUTICAL CO., LTD. CAFC No.2019-2050

原審である米国マサチューセッツ州連邦地裁判決に対して、小野薬品、本庶氏、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は控訴していました。原審関連記事は下記参照。

2019.05.17 「Dana-Farber Cancer Institute, Inc. v. Ono Pharmaceutical Co., Ltd. et al」 UNITED STATES DISTRICT COURT DISTRICT OF MASSACHUSETTS Case 1:15-cv-13443-PBS
2019年5月17日、米国地裁は、PD-1に関する所謂「本庶特許」について、Dana-Farber Cancer InstituteのFreeman博士とWood博士の二名が共同発明者であるとの判決を下しました。以下、判決文の一部を引用。 "Dr. Honjo reached out to Dr. Wood to find PD-L1 because he did not fully unders...
抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・
2020年6月19日に掲載された小野薬品の有価証券報告書(2020年3月期通期)によると、現在、米国CAFCにて、6つの米国特許(以下、「本庶特許」という)の発明者として本庶氏とともに研究に貢献したWood氏とダナファーバーがん研究所のFreeman氏の2名が共同発明者として追加されるべきか否かが争われているとのことです。 Patent NumberClaim 17,595,048A method...

Freeman氏から本発明に関する権利および利益を譲り受けたダナファーバーがん研究所は、小野薬品およびブリストル・マイヤーズ スクイブ社が上記本庶特許の独占的所有者として競合他社に対して特許侵害訴訟を提起し、和解またはライセンス契約を締結したことで得たライセンス収入の一部の利益を受ける権利を有していると主張し、米国マサチューセッツ州連邦地裁に提訴しています(2020年6月19日に掲載された小野薬品の有価証券報告書(2020年3月期通期)より)。

CAFCが2名の発明者の追加を命じた第一審の判断を支持したことで、ダナファーバーがん研究所が米国では本庶特許の共有権利者として加わることになり、上記マサチューセッツ州連邦地裁で争われている事件の判断に影響するだけでなく、他の国(日本)にも飛び火する可能性が大いにでてきました。

小野薬品 本庶氏によるPD-1特許に関する対第三者訴訟関連分配金請求訴訟について争う方針
小野薬品は、2020年6月19日付にて本庶 佑氏よりPD-1特許に関する対第三者訴訟関連分配金として226億2333万1677円を請求する訴訟を大阪地方裁判所に提起され、その訴状を受領した旨のプレスリリースを行いました(2020.07.06「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」)。小野薬品のプレスリリースによると、小野薬品は、PD-1特許に関するライセンス契約を2006年に本庶佑氏と合意の下に...

>(3)に続く

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抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・(3)
>(2)から続く 前回記事「抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・(2)」 小野薬品、本庶氏、BMSは、CAFC判決には明らかな法的問題があると主張して、米国最高裁判所に請願書を提出した。 1.はじめに 2021年3月8日、小野薬品、本庶氏、BMS(以下、まとめて「小野薬品ら」)は、抗PD-1抗体等に関する6つの米国特許(いわゆる「本庶特許」)の共同発明者として...

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