オキサリプラチンが分解して生じた解離シュウ酸は「緩衝剤」には当たらない: 知財高裁平成29年(ネ)10010
「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」に関する特許権(第4430229号)を有する控訴人(一審原告:デビオファーム)が、被控訴人ら(一審被告:第一三共エスファ、富士フイルムファーマ、ニプロ)に対し、被控訴人ら各製品の生産等が特許権侵害に当たると主張して、被控訴人各製品の生産等の差止及び廃棄を求めた事案。原判決は、被控訴人ら各製品はいずれも本件特許発明の技術的範囲に属しないとして控訴人の各請求をいずれも棄却したため、控訴人は本件控訴を提起した。
知財高裁(第2部)は、
「当審における主張及び立証を踏まえても,本件発明1における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,添加シュウ酸に限られ,解離シュウ酸を含まないものと解されるから,解離シュウ酸を含むのみで,シュウ酸が添加されていない被控訴人ら各製品は,いずれも,構成要件B,F及びGの「緩衝剤」を含有するものではなく,したがって,本件発明1又は本件訂正発明1~の各技術的範囲に属しない」
と判断し、原判決は相当であるから、本件控訴を棄却した。
原審: 2016.12.02 「デビオファーム v. 第一三共エスファ・富士フイルムファーマ・ニプロ」 東京地裁平成27年(ワ)28699・平成27年(ワ)28848・平成27年(ワ)29004
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