2017年7月27日付の中外製薬のニュースリリース(「オキサロール®軟膏製法特許侵害に対する損害賠償請求訴訟の判決に関するお知らせ」)によると、中外製薬が保有する尋常性乾癬等角化症治療剤「オキサロール®軟膏25μg/g(有効成分: マキサカルシトール)」の製法特許(特許第3310301号)に関して、オキサロール軟膏の後発品メーカーである岩城製薬、高田製薬、ポーラファルマの特許権侵害行為に対し中外製薬が損害賠償を求めていた訴訟で、本日、東京地裁にて、後発品3社の賠償責任を認める判決が言い渡されたとのことです。
注目すべき点は、後発品3社による侵害品の販売によって、中外製薬のオキサロール軟膏の販売が失われたことによる損害についての後発品3社の賠償責任を認めただけでなく、オキサロール軟膏及びオキサロールローションの薬価加算分の引き下げについて後発品3社の賠償責任も認められた点です。
2017年7月27日付の中外製薬のニュースリリースによると、薬価算定において新薬創出・適応外薬解消等促進加算の対象だった中外製薬のオキサロール軟膏及びオキサロールローションは、オキサロール軟膏の後発品の参入により、本来の時期より早く加算分の引き下げが行われました。
本件は、薬価加算分の引き下げに起因して先発医薬品企業に生じた損害について判断された初めての事例とのことです。
なお、後発品3社に対する本件特許の侵害差止訴訟における中外製薬の勝訴は既に確定しています(2017.03.24 「マキサカルシトール事件(均等の第5要件)」 最高裁平成28年(受)1242; 2017.03.24 中外製薬 press release: 「オキサロール軟膏の特許権侵害訴訟における最高裁判所判決勝訴のお知らせ」)。
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