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ベポタスチンベシル酸塩(タリオン®)に関する特許権について

2017年6月30日、田辺三菱製薬(株)および宇部興産(株)より「ベポタスチンベシル酸塩(商品名 タリオン®)に関する特許権について」の謹告文が掲載されました(参照: 日刊薬業website: 【謹告】ベポタスチンベシル酸塩(商品名 タリオン®)に関する特許権について)。

田辺三菱は、一般名ベポタスチンベシル酸塩(bepotastine besilate)を有効成分とし、その効能・効果を「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症)」とする医薬品を、「タリオン®錠5㎎」「タリオン®錠10㎎」「タリオン®OD錠5㎎」「タリオン®OD錠10㎎」の商品名で製造販売している。タリオン®錠は、宇部興産と田辺三菱の共同研究により創成された抗アレルギー剤。国内において2000年7月に効能・効果をアレルギー性鼻炎としてタリオン®錠(普通錠)が承認された。また、蕁麻疹、皮膚疾患に伴う掻痒(湿疹・皮膚炎,痒疹,皮膚掻痒症)の効能・効果については2002年1月に承認された。2007年7月に口腔内崩壊錠を発売し、2015年5月に小児(7-15歳)適応の承認を取得した。タリオンの国内売上収益(2016年)は189億円、2017年度は200億円を超えると予想されている。

ニプロは、田辺三菱の完全子会社だった田辺製薬販売(株)の発行済株式の全てを取得し子会社化したことで、タリオン®錠のオーソライズド・ジェネリック薬品(タリオン AG)を自社製品として取り扱うことが可能となっている(ニプロ press release 2017.03.28 「ジェネリック医薬品の製造販売会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」)

田辺三菱および宇部興産は、ベポタスチンベシル酸塩を有効成分とする医薬品に関し、下記日本特許を有している。

  • 有効成分(ベポタスチンベシル酸塩)の医薬用途特許: 特許第4562229号
    存続期間満了日は2017年12月19日

参考: 2013.07.24 「遼東化学 v. 宇部興産・田辺三菱」 知財高裁平成24年(行ケ)10207

2013.07.24 「遼東化学 v. 宇部興産・田辺三菱」 知財高裁平成24年(行ケ)10207
公知ラセミ体を構成する一方の光学異性体の新規性・進歩性: 知財高裁平成24年(行ケ)10207 被告らが保有する「光学活性ピペリジン誘導体の酸付加塩及びその製法」に関する特許(第4704362号)について、原告がした無効審判を請求不成立とした審決(無効2011-800097号)に対する取消訴訟。公知ラセミ体を構成する一方の光学異性体の新規性・進歩性が争点。 原審参照: 2012.04.23 「遼東...
  • 有効成分(ベポタスチンベシル酸塩)の物質特許: 特許第4704362号
    存続期間満了日は2017年12月19日

参考: 2013.07.24 「遼東化学 v. 宇部興産・田辺三菱」 知財高裁平成24年(行ケ)10206

2013.07.24 「遼東化学 v. 宇部興産・田辺三菱」 知財高裁平成24年(行ケ)10206
公知ラセミ体を構成する一方の光学異性体の新規性・進歩性: 知財高裁平成24年(行ケ)10206 【背景】 被告らが保有する「光学活性ピペリジン誘導体の酸付加塩及びその製法」に関する特許(第4562229号)について、原告がした無効審判を請求不成立とした審決(無効2011-800097号)に対する取消訴訟。公知ラセミ体を構成する一方の光学異性体の新規性・進歩性が争点。 原審参照: 2012.04.2...
2013.07.11 「田辺三菱・宇部興産 v. 遼東化学」 知財高裁平成24年(行ケ)10297
ベポタスチン製剤(タリオン錠)発明の進歩性: 知財高裁平成24年(行ケ)10297 【背景】 田辺三菱・宇部興産(原告ら)が保有する「経口投与製剤」に関する特許(3909998号)に対する遼東化学(被告)の特許無効審判の請求において、特許庁が特許を無効とした審決(無効2011-800177号)に対して、原告が審決の取消しを求めた事案。争点は進歩性。 請求項1(本件発明1): ベポタスチンのベンゼン...

その他参考:

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