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ファスジル: Actelion社の不法な開発中止 旭化成ファーマの損害賠償請求訴訟終結へ

CoTherix社にライセンスしたRho-kinase阻害剤「ファスジル(fasudil)」の開発を、CoTherix社を買収したActelion社が不法に止めさせたことを理由として、旭化成ファーマがActelion社に対して損害賠償を求めていた米国訴訟において、カルフォルニア州最高裁判所はActelion社の上告受理申立を却下した。

参考:

経緯:

  • 旭化成ファーマは、CoTherix社との間で「ファスジル」に関する開発・販売権を供与するライセンス契約を2006年6月に締結。2006年6月29 旭化成ファーマpress release: ファスジル経口剤及び吸入剤のライセンス契約締結について
  • 2007年1月にActelion社がCoTherix社を買収し、それ以降CoTherix社が「ファスジル」の開発を中止した。
  • 2008年11月に旭化成ファーマは、Actelion社等に対して、被告らが不法に開発を止めさせたことを理由として損害賠償を求める訴えを米国カリフォルニア州サンマテオ郡地方裁判所に提起。

    “At trial, Asahi presented evidence that Actelion acquired CoTherix specifically because it saw Fasudil as a significant threat to its market dominance with Tracleer and that Defendants used unlawful means to stop the development of Fasudil, thereby interfering with the License Agreement. Specifically, Asahi argued that Defendants used extortion and fraud to “painstakingly kill” Fasudil as a competitive product.”

  • 2011年11月に被告らに対して総額415.7百万米国ドルの支払いを命ずる第一審判決が下される。
  • 被告側はこれを不服としてカリフォルニア州高等裁判所に控訴。
  • 2013年12月に同裁判所により第一審判決を維持する旨の判決が下される。
  • 被告側は、更にカリフォルニア州最高裁判所に対する上告受理を申立て。
  • 2014年3月13日(現地時間2014年3月12日)当該申立を却下する旨の最高裁判所の決定。

なお、CoTherix社に対しては、ライセンス契約の違反に基づく損害賠償を求めて国際商工会議所(ICC)において仲裁手続を行い、2009年12月、約91百万米国ドルの支払いをCoTherix社に命ずる裁定を得て、旭化成ファーマが既に全額を受領している。

参考(ライセンス契約に係る開発中止をめぐる損害賠償請求事件):

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