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2008年、医薬系”特許的”な判決を振り返る。

Prior artとは?

「結晶性アジスロマイシン2水和物」事件は、引用文献中の化合物(結晶)の製法又は物性データの開示の有無が新規性を拒絶するprior artとしての採否判断の争点となった。文献にどのような記載があれば先行発明として開示されていることになるのか。

「高純度アカルボース」事件は、引用文献中にその純度が明記されていないとしても、純度で限定した組成物クレームの新規性・進歩性を否定しうるprior artになるのかが問題となった。

「高選択的ノルエピネフリン再取込みインヒビター」事件では、文献中において必ずしもデータで裏付けられていると言うことはできない疾患用途への言及が根拠のあるものかどうかが進歩性を拒絶するprior artとしての採否判断の争点となった。引例として採用されるべき”根拠のある”記載とは。

「オメプラゾール(omeprazole)」事件は米国のケースだが、臨床試験の実施が公然実施に該当するのかどうかが問題となった。ライフサイクルパテントにとって、臨床試験の実施が特許性に与える影響を注意深く検討する必要があるだろう。

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