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2008.07.21 「Eisai v. Dr.Reddy’s and Teva」 CAFC Docket No. 2007-1397, -1398

Obviousness for a chemical compound(化合物の自明性): CAFC Docket No. 2007-1397, -1398

【背景】

エーザイ(Eisai)のアシフェックス(Aciphex)®(プロトンポンプインヒビター、日本での販売名はパリエット®)のANDAをFDAに行ったテバ(Teva)及びドクターレディース(Dr.Reddy’s)に対し、その有効成分であるラベプラゾール(rabeprazole)をカバーする米国化合物特許に基づきエーザイが提起した特許権侵害訴訟。Tevaはラベプラゾールの化合物特許クレームは自明(obvious)であるから無効であり、また、不公正行為(inequitable conduct)があったので権利行使不能であると主張した。

【要旨】

Tevaは、

同じくプロトンポンプインヒビターであるランソプラゾール(lansoprazole、日本での販売名はタケプロン®)(下記のとおりラベプラゾールとはピリジン環上の4位の置換基が異なるのみ。)が開示されているEP’726 reference等に基づいて、ラベプラゾール化合物クレームは自明であると主張した。


しかし、CAFCは、

EP’726 referenceには、
「the fluorinated substituent of lansoprazole provides “a special path to achieving lipophilicity.”」
であることが示唆されているから、
「the record contains no reasons a skilled artisan would have considered modification of lansoprazole by removing the lipophilicity-conferring fluorinated substituent as an identifiable, predictable solution.」

と判断し、Tevaの主張を退けた。

Tevaは、

審査の過程で、自明であるとの拒絶をovercomeするために提出されたDeclaration(比較データ)に本来比較すべき化合物(エーザイが別出願で開示していたラベプラゾールのethyl homologであるSHKA 661)がなかったのは審査官をミスリードしたことになる点、
さらにそのethyl homolog出願自体を審査官に開示していなかった点、
などを理由に、inequitable conductが存在したと主張した。

しかし、CAFCは、

「the materiality of SHKA 661 and the patent application claiming it was low.」
と判断し、Tevaの主張を退けた。

【コメント】

判決ではKSR最高裁判決を振り返りつつ、化合物の自明性判断についての一般原則を示唆している。KSR事件後における、化合物の非自明・自明のボーダーラインは、「Takeda v. Alphapharm」事件(CAFC Docket No.06-1329)も含め、判決の蓄積により、かなり明確になってきたのではなかろうか。

なお、inequitable conductに関しては、Declaration等の庁対応や、自らした類似出願の存在を審査官に開示するのかしないのかについて細心の注意が必要だろう。

参考:

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