職務発明の相当対価請求権の消滅時効の起算点: 東京地裁平成18年(ワ)18196
【背景】
職務発明に係る特許を受ける権利を被告に譲渡したとして、原告は、特35条3項に基づき、相当の対価等を請求した。特許発明当時、被告においては特に職務発明の取扱いについて明示的に定めた勤務規則等の定めはなかった。
【要旨】
職務発明についての特許を受ける権利を使用者に承継させた場合、従業者は、対価の支払い時期が契約、勤務規則等に定められていない限り、直ちに相当の対価を請求することができるから、特許を受ける権利を承継させた時期が相当の対価についての消滅時効の起算点となる。請求権は時効消滅したものとなり、請求棄却。
【コメント】
職務発明の相当の対価請求権の消滅時効の起算点は、対価を請求できる時点から。多くの場合、リタイア後に会社を訴えることになるだろうから、転職した場合は別として、請求権が時効消滅していることが多いのでは?
参考:
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