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*Case2024

2024.10.28 「サムスン v. バイエル」東京地裁令和6年(ヨ)30029 ― パテントリンケージにおける特許権者による情報提供と不競法の虚偽告知該当性 ―

Summary 本件は、後発メーカーのサムスンが、バイオ後続品が本件特許権を侵害するとして先発メーカーのバイエルが厚労省に情報提供した行為が不競法2条1項21号に定める不正競争に該当すると主張し、その告知行為の差止めの仮処分を求めた事案である。 東京地方裁判所は、バイエルの情報提供は虚偽の回答に該当するとしつつ、パテントリンケージ制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものではないと判断し、サム...
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*Topics

【更新】ブログ記事を引用していただきありがとうございます!

【新規追加】 天野 研司(Kenji Amano) 「医薬・バイオ技術発明の論点」(Emerging Issues in Pharmaceutical and Biotech Invention): 大韓民国特許法院(IP High Court of Korea)主催 国際知的財産裁判所会議(International IP Court Conference / IIPCC), SESSION 3...
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*Case2023

2023.09.28 「アムジェン v. サノフィ」東京地裁令和2年(ワ)8642 ― 取得困難を自認した出願後の発明者のメール内容が実施可能要件及びサポート要件の判断に影響した事例 ―

1.はじめに 抗PCSK9抗体に関する特許権(特許第5705288号及び第5906333号)を有するアムジェンが抗PCSK9抗体製剤プラルエント®を販売するサノフィを特許権侵害で提訴した前訴判決では、アムジェンが勝訴し、販売差止めを命じる同判決は確定していた。本件(東京地裁令和2年(ワ)8642)は、アムジェンが、サノフィに対し、同侵害行為に基づく損害賠償の支払を求めた事案である。 アムジェンとサ...
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*Pharma/IP news

生物多様性条約(CBD)第16回締約国会議(COP16)が閉幕 遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)の利益配分に関する多国間メカニズムとして「カリ基金」設立へ

>前回2022.12.20記事「生物多様性条約第15回締約国会議(COP15) 遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)の使用から得られる利益が公正かつ衡平に配分されるべきであることに合意、多国間メカニズム構築へ」からのつづき 2024年10月21日から11月1日まで、コロンビア・カリにて、生物多様性条約(CBD)第16回締約国会議(COP16)、カルタヘナ議定書第11回締約国会合(CP-MOP11)...
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*Pharma/IP news

欧州委員会がTeva社に制裁金 多発性硬化症治療薬コパキソンの分割出願制度濫用と競合製品への誹謗中傷行為を理由に

2024年10月31日、欧州委員会は、Teva社の大ヒット医薬品であるグラチラマー酢酸塩(glatiramer acetate)を有効成分とする多発性硬化症治療薬コパキソン(Copaxone®)と競合する安価な後発医薬品の市場参入を遅らせるために優越的地位を濫用したとして、Teva社に4億6,260万ユーロの制裁金を科すと発表しました。 2024.10.31 欧州委員会 press release...
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*Case2024

2024.08.07 「科研製薬 v. リジェネロン/サノフィ」 知財高裁令和5年(行ケ)10019 ― 臨床試験結果に基づく医薬用途発明の特許出願のジレンマ:臨床試験プロトコル公開のインパクト

1.はじめに アトピー性皮膚炎治療のための抗インターロイキン-4受容体(IL-4R)抗体を含有する医薬組成物に関するリジェネロン及びサノフィの特許に対する無効審判請求を不成立とした審決を不服として科研製薬が提起した審決取消訴訟(知財高裁令和5年(行ケ)10019)で、知財高裁は、本件審決の判断に誤りはなく、科研製薬が主張する取消事由(進歩性、サポート要件及び実施可能要件に関する誤り)はいずれも理由...
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*Pharma/IP news

シンバイオ製薬、トレアキシン®点滴静注液(ベンダムスチン)の後発医薬品に対する特許権侵害訴訟で東和薬品と和解

シンバイオ製薬のプレスリリースによると、抗悪性腫瘍剤トレアキシン®点滴静注液100mg/4mL(一般名:ベンダムスチン塩酸塩水和物(Bendamustine Hydrochloride Hydrate)、以下「トレアキシン®」)のライセンス元であるEagle Pharmaceuticals, Inc.(以下「Eagle社」)とシンバイオ製薬が共同で、Eagle社が保有するベンダムスチン液剤に関する...
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*Pharma/IP news

旭化成ファーマ、「テリボン®皮下注用56.5μg(テリパラチド)」の後発医薬品を製造販売する沢井製薬に対する特許権侵害差止・損害賠償請求訴訟で勝訴(大阪地裁)

旭化成ファーマ株式会社(以下「旭化成ファーマ」)のプレスリリースによると、旭化成ファーマが製造販売している骨粗鬆症治療剤テリボン®皮下注用56.5μg(一般名:テリパラチド酢酸塩)に関する製法特許(特許第6025881号、以下「本件特許権」)に基づき、旭化成ファーマが沢井製薬株式会社(以下「沢井製薬」)に対して後発医薬品である「テリパラチド皮下注用56.5μg『サワイ』」(以下「沢井製品」)の製造...
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*Pharma/IP news

ノーベルファーマ、「ノベルジン®(酢酸亜鉛水和物)」の後発医薬品を製造販売する沢井製薬に対する特許権侵害差止請求訴訟で敗訴(東京地裁)

ノーベルファーマ株式会社(以下、「ノーベルファーマ」)のプレスリリースによると、ウィルソン病治療剤(銅吸収阻害剤)・低亜鉛血症治療剤「ノベルジン®錠 25mg、同 50mg」(以下、ノベルジン®)の後発医薬品を製造販売する沢井製薬株式会社(以下、「沢井製薬」)に対して、ノーベルファーマが、保有する特許権(特許第6716464号、特許第6768984号)の侵害を理由として、2023年4月17日に東京...
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*Case2024

公正取引委員会、ASP Japanに排除措置命令 – 後発フタラール製剤の使用を阻止する抱き合わせ販売を違法行為と認定

公正取引委員会は、2024年7月26日、ASP Japan合同会社(以下「ASP」)に対して独占禁止法の規定に基づく排除措置命令(令和6年(措)第9号)を行ったことを発表しました。 参照: 2024.07.26 公正取引委員会: ASP Japan合同会社に対する排除措置命令について (印刷用)(令和6年7月26日)ASP Japan合同会社に対する排除措置命令について (令和6年7月26日)本件...
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*Pharma/IP news

選択的直接作用型第Ⅹa因子阻害剤「イグザレルト®」・・・リバーロキサバンに関する特許権について(5)

2024年7月29日、バイエル薬品より「リバーロキサバンに関する特許権について」の謹告文が掲載されました(2024.07.29 日刊薬業 【謹告】リバーロキサバンに関する特許権について)。 この謹告文は、2020年12月4日(過去記事)、2021年6月28日(過去記事)、2022年2月1日(過去記事)、2023年7月22日(過去記事)の謹告と同様に、リバーロキサバンを有効成分とする製品の製造、販売...
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*Pharma/IP news

【速報】厚生科学審議会(医薬品医療機器制度部会) パテントリンケージ制度の運用改善について議論 医薬品特許の専門家への意見照会制度の導入検討へ

2024年7月25日に開催された厚生科学審議会(医薬品医療機器制度部会)において、「後発医薬品等の承認審査におけるパテントリンケージ制度の運用改善」が議題として取り上げられました。 厚生労働省は、後発医薬品の承認審査に際し、二課長通知に基づいて先発医薬品の特許との関係性を確認しています(パテントリンケージ制度)。しかし、特許権の効力範囲に関する裁判例や確立した学説が少ないため、当事者間で見解の相違...
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*Case2024

2024.07.16 Sanofi v. Amgen 459505/2023 (UPC_1/2023) - 医薬特許で初のセントラルアタック(Central revocation) 欧州統一特許裁判所(UPC)がAmgenの抗PCSK9抗体特許を無効と判断 -

2024年7月16日、欧州統一特許裁判所(Unified Patent Court、以下「UPC」)の中央部(ミュンヘン支部)は、Amgen社の特許EP3666797B1が進歩性を欠くとして無効との判決を下しました。 問題となったのは、機能的に表現された抗PCSK9抗体クレームです。 参照:Sanofi v. Amgen, Registry number ACT_459505/2023 UPC_C...
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*Topics

医薬系特許的判例ブログ年報 2023

「医薬系特許的判例ブログ年報2023」を発行しました! 発行日: 2024年5月31日 著者: Fubuki 中の見た目はこんな感じです。カラーページもあります。 本書は、2023年に当ブログで注目された記事をピックアップし、書籍用に編集したものです。当ブログの内容を一度書籍にしてみたいという自己満足のために出版社を介さず直接印刷所に依頼し製本した非売品ですが、国立国会図書館に納本され、閲覧可能な...
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*Pharma/IP news

公共の利益のための通常実施権を設定すべき旨の裁定請求 ⾃家iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞の製造等に関してビジョンケア、ヘリオス、住友ファーマらが和解 ― 強制実施権設定の在り方と浮かび上がった課題 ―

1.はじめに 株式会社ヘリオス(以下「ヘリオス」)、国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)及び国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」)が共同保有する発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする本件特許(第6518878号)に係る特許権に対して、2021年7月13日に、高橋政代氏(以下「高橋氏」)を代表取締役とする株式会社ビジョンケア(ビジョンケア)及び株式会社VC Cell Therap...
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*Pharma/IP news

第一三共ADC技術の知的財産権の帰属を巡るSeagen社との紛争における仲裁廷による判断が最終確定 Seagen社特許の有効性を巡る争いはCAFCによる判断が待たれる

2024年6月28日、第一三共は、第一三共の抗体薬物複合体(以下「ADC」)技術に関するSeagen社との紛争について、仲裁廷による判断が最終確定し、また 、第一三共が当該仲裁に要した費用のうち約47百万米ドル(支払時までの利息を含む)をSeagen社が第一三共に支払ったことを発表しました(2024.06.28 第一三共 press release: 当社ADC技術に関するSeagen社との紛争に...
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*Pharma/IP news

知的財産高等裁判所が第三者意見を募集 ― 体外と体内の狭間、組み合わせの物と方法の狭間、医療と産業の狭間の問題に注目か? ―

2024年6月24日、知的財産高等裁判所は、その第1部に係属中の下記事件について、広く一般からの意見募集を実施すると発表しました(募集要項はこちらのリンク)。 提出された意見書は、事件当事者が証拠として提出することにより、裁判所の判断資料となります。 意見募集期間は、2024年9月6日までとなっています。 1.対象事件 知的財産高等裁判所第1部 令和5年(ネ)第10040号損害賠償請求控訴事件 (...
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*Pharma/IP news

バイデン政権による介入権(March-in rights)を行使する薬価引下施策の提案に各界から反発の声

米国バイデン政権は、2023年12月7日に発表した「競争の促進による医療と医薬品の価格引下げを目指す新たな方針」の中で、医薬品の価格を抑えるために、バイ・ドール法に基づいて政府の資金援助を受けて研究開発された特許技術に対して介入権(March-in rights)を行使する可能性を示唆しています。 この発表と同日、米国商務省に属する政府機関である米国標準技術研究所(NIST)から「介入権の行使に関...
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*Pharma/IP news

WHOパンデミック協定採択見送り 知的財産権放棄議論から意見対立は技術移転やワクチン、治療薬及び診断薬配分の仕組みへ

1.WHOパンデミック協定採択見送り スイス・ジュネーブで2024年5月27日から6月1日まで開催されていた世界保健機関(WHO)の第77回年次総会(World Health Assembly)は、その最終日、「WHOパンデミック協定」(WHO pandemic agreement)案の採択を見送ることを決定しました(2024.06.01 WHO press release: World Heal...
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*Case2024

2024.03.25 「X v. 全星薬品工業」 知財高裁令和5年(ネ)10090 ― 塩酸アンブロキソール徐放性OD錠職務発明対価請求控訴事件 「発明の特徴的部分」への寄与の有無に基づき元製剤技術部長の発明者適格を否定 ―

Summary 発明の名称を「徐放性塩酸アンブロキソール口腔内崩壊錠」とする特許第5919173号に係る本件発明2等に関して、被告(全星薬品工業)の元従業者であった原告が被告に対して提起した職務発明対価請求控訴事件で、知財高裁は、「発明の特徴的部分とは、特許請求の範囲に記載された発明の構成のうち従来技術にはみられない部分、すなわち、当該発明に特有の課題解決手段を基礎付ける部分を指すものと解するのが...
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*Pharma/IP news

米国通商代表部(USTR) 2024年スペシャル301条報告書(2024 Special 301 Report) ― 日本の薬価制度に言及 ステークホルダーからはデータ保護、パテントリンケージ、特許延長の不確実性にも懸念の声 ―

1.2024年スペシャル301条報告書(2024 Special 301 Report) スペシャル301条報告書(Special 301 report)とは、1974年米国通商法182条(IDENTIFICATION OF COUNTRIES THAT DENY ADEQUATE PROTECTION, OR MARKET ACCESS, FOR INTELLECTUAL PROPERTY RI...
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*Pharma/IP news

「知的財産、遺伝資源及び関連する伝統的知識に関するWIPO条約」の最終文書が世界知的所有権機関(WIPO)で採択 ― 特許出願における遺伝資源等の出所開示義務化へ ―

2024年5月13日から約2週間にわたりジュネーブで開催されていた遺伝資源及び伝統的知識に関する世界知的所有権機関(WIPO)外交会議は、最終日である5月24日、"WIPO TREATY ON INTELLECTUAL PROPERTY, GENETIC RESOURCES AND ASSOCIATED TRADITIONAL KNOWLEDGE"(知的財産、遺伝資源および関連する伝統的知識に関す...
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*Case2024

2024.03.26 「フマキラー v. アース製薬」 知財高裁令和5年(行ケ)10057 ― 優先権主張の効果、補正・訂正要件、実施可能要件の交差点 ―

Summary 本件は、フマキラー(原告)が、アース製薬(被告)が特許権者である特許第6539407号に対する無効請求不成立審決の取消しを求めた事案であり、実施例補充型の国内優先権主張の効果が認められるかどうかが実質的な争点であった。 知財高裁は、「人工乳首事件」東京高裁判決の説示を踏襲しつつ、「後の出願の特許請求の範囲に記載された発明の要旨とする技術的事項が、先の出願の当初明細書等に記載された技...
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*Pharma/IP news

久光製薬 サロンパス®(Salonpas®)というブランド

5月18日はサロンパス®の日。 5と18で「こ(5)りをいや(18)す」と読む語呂合わせから、この記念日は、一般社団法人 日本記念日協会によって正式に登録されています。 Fubuki ということで、しばしばお世話になっているサロンパス®についてあれこれ調べてみました。 サロンパス®は、久光製薬が製造販売している鎮痛消炎プラスター剤(一般用医薬品)の商品名です。 サロンパス®という名称は、その主成分...
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*Case2024

2024.05.16 「A v. 特許庁長官」 東京地裁令和5年(行ウ)5001 ― 発明者は自然人に限られる。AI発明をめぐる実務上の懸念に対し立法論の検討が期待されると付言 ―

Summary Stephen Thaler博士のAIコンピュータ「DABUS」が生み出した発明について「DABUS」を発明者とした特許出願の発明者適格が争われた訴訟で、東京地裁は、発明者は自然人に限られるものと解するのが相当であり、自然人の氏名を記載するよう命じられた原告が補正をしなかったことにより特許庁長官が本件出願を却下する処分をしたことは適法であると認めるのが相当であるとして、原告の請求を...
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*Case2024

2024.03.21 「大塚製薬 v. トーアエイヨー・ニプロ・東和薬品」 知財高裁令和4年(行ケ)10084 ― サムスカ®の有効成分トルバプタンに関する医薬用途発明の進歩性 ―

Summary 本件は、発明の名称を「重症心不全の治療方法およびその薬剤」とする特許第4771937号の特許権者である大塚製薬(原告)が、本件特許を無効と判断した審決を不服として、その取消しを求めた事案である。 知財高裁は、進歩性欠如を理由として本件特許を無効であると判断した本件審決を支持し、大塚製薬の請求を棄却する判決をした。 この事件には、バソプレシン V2-受容体拮抗薬であるトルバプタン(T...
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*Case2024

2024.03.18 「テバ・東和薬品・日医工・日本ケミファ・ヘキサル v. ジー.ディー.サール」 知財高裁令和4年(行ケ)10127, 10128, 10129, 10130, 令和5年(行ケ)10027 ― セレコキシブ組成物特許の訂正事項とプロダクト・バイ・プロセス表現の難しさ ―

Summary 本件は、ジー.ディー.サール(被告)が保有する「セレコキシブ組成物」に関する特許に対する無効審判請求不成立審決を取り消す前訴判決の差戻し審判で、特許庁は、被告による本件訂正を認め、テバ、東和薬品、日医工、日本ケミファ、ヘキサル(原告ら)の主張する無効理由はいずれも理由がないとして審判請求は成り立たない旨の審決(本件審決)をしたため、原告らが審決の取消しを求めて提起した訴訟である。 ...
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*Pharma/IP news

スガマデクス液剤の製造方法に関する特許権について

2024年5月7日、丸石製薬による「スガマデクスまたはその薬理学的に許容される塩含有液剤およびその製造方法に関する特許権について」の謹告文が掲載されました。 2024.05.07 日刊薬業:【謹告】スガマデクスまたはその薬理学的に許容される塩含有液剤およびその製造方法に関する特許権について この謹告において、丸石製薬は、2021年9月28日に、日本特許第6950966号(発明の名称:スガマデクスま...
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*Case2024

2024.03.25 「X v. クリニジェン」 知財高裁令和5年(ネ)10103 ― 本件訴えは前件訴訟の蒸し返しであり信義則に反する不適法なものであるとして控訴を棄却した損害賠償請求事件  ―

Summary クリニジェン株式会社が本件国内移行手続を執らなかった行為及び本件発明の権利化の機会を発明者である原告Xに与えなかった行為が譲渡契約上の債務不履行を構成すると主張して原告Xが同社に対し損害賠償の支払を求めた控訴審で、知財高裁は、本件訴えは前件訴訟(東京地裁令和3年(ワ)4655)の蒸し返しであって、訴訟法上の信義則に反する不適法なものであり、本件訴えを却下した原判決は相当であるとして...
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*Pharma/IP news

アステラス製薬の過活動膀胱治療剤「Myrbetriq」 LupinとZydusによる後発品発売の停止を求める仮差止め請求に関する米国デラウェア州連邦地方裁判所の決定について

アステラス製薬は、米国デラウェア州連邦地方裁判所において、米国で販売している過活動膀胱治療Myrbetriq(一般名:ミラベグロン(Mirabegron))に関する特許(米国特許番号:11,707,451、以下「451特許」、2023年7月25日に登録、2030年3月満了予定)侵害訴訟(以下、「本訴訟」)が決着する前の、LupinとZydusによる後発品発売の停止を求める仮差止め請求の却下を推奨す...
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*Case2024

2024.03.27 「東亜産業 v. neo ALA」 知財高裁令和5年(ネ)10086 ― 控訴棄却判決、差止め及び廃棄請求について仮執行宣言(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) ―

Summary 発明の名称を「5-アミノレブリン酸リン酸塩、その製造方法及びその用途」とする本件特許を保有する被控訴人(neo ALA)が、控訴人(東亜産業)による各控訴人製品の製造、譲渡等が特許権の侵害に当たると主張して、控訴人に対し、その差止め等を求めた特許権侵害差止請求事件で、知財高裁は、被控訴人の請求を全部認容した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、また、原...
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*Pharma/IP news

【新刊】『特許法講義』田村善之・清水紀子 (著)が発売されます

2024年4月11日、『特許法講義』 田村善之・清水紀子 (著)が、弘文堂より出版、発売されます。 この度は、ご出版、誠におめでとうございます。 清水紀子先生より御本を頂きました。ありがとうございます! 清水先生にはご無理を申し上げて出版記念に直筆サインまで頂き、ブログへの画像(右)の掲載もご快諾頂きました。 また、弘文堂様より、当ブログに掲載する書影(表紙(帯あり))(左)をご提供頂きました。 ...
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*Pharma/IP news

東レ、レミッチ®(ナルフラフィン)用途発明に係る延長特許権侵害訴訟で扶桑薬品工業に対し損害賠償請求金額を82億円に拡張へ

扶桑薬品⼯業からの2024年3月27日付プレスリリース(「当社に対する特許権侵害差⽌等請求訴訟の請求拡張の申⽴てに関するお知らせ」)によると、知財⾼裁に係属中である経⼝そう痒症改善剤レミッチOD錠2.5μgの後発医薬品「ナルフラフィン塩酸塩OD錠2.5μg『フソー』」(以下「本製品」)に関する特許権侵害差⽌等請求訴訟において、東レは、扶桑薬品⼯業に対する損害賠償請求⾦額を4,000万円及び遅延損害...
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*Topics

「知的財産推進計画 2024」の策定に向けた意見 ― 医薬品の臨床試験データを保護する制度(データ保護制度)の法制度化を要望 ―

知的財産戦略本部では、同本部の下におかれた構想委員会において「知的財産推進計画 2024」の策定に向けた検討を進めており、今後、「知的財産推進計画 2024」の策定に向けた検討に役立てるため、パブリック・コメントを募集しています(「知的財産推進計画2024」の策定に向けた意見募集参照。募集期間:令和6年2月26日~令和6年3月27日)。 Fubuki 匿名なので受け付けてもらえないかもしれませんが...
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*Pharma/IP news

エーザイ、米国におけるLenvima®(レンバチニブ)に関する特許侵害訴訟でSUN Pharmaと和解

2024年3月25日、エーザイは、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(Lenvima®)(一般名:レンバチニブメシル酸塩(Lenvatinib mesilate))に関する特許(米国特許第10,407,393号及び第11,186,547号、以下、本特許)の侵害を理由として、本剤に関する後発医薬品の簡略新薬承認申請(Abbreviated New Drug Application:ANDA)を...
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*Pharma/IP news

韓国薬事法改正 医薬品の再審査制度を廃止し、イノベーティブ医薬品創出を促進する臨床試験資料保護制度(データ保護制度)新設へ 後れを取る日本

2024年2月20日、韓国の薬事法の一部改正法(法律第20328号)が公布されました。 この法律は、公布後1年が経過した日(2025年2月21日)から施行します。 この改正法において注目すべきポイントは、新規医薬品の承認時に先発医薬品メーカーにより提出された臨床試験資料をもとに後発医薬品を承認申請することを一定期間禁止する臨床試験資料保護制度(いわゆる「データ保護制度」、第31条の6)を新設し、一...
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*Case2024

2024.01.16 「ユーピー ケミカル v. バーサム マテリアルズ」 知財高裁令和4年(行ケ)10097 ― 化学物質名の記載が特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」であること(引用発明の適格性)の判断基準 ―

Summary 「ジイソプロピルアミノシラン」に係る特許発明の新規性等が争点となった無効請求不成立審決取消訴訟で、引用文献には、同物質が記載されているといえるものの、その製造方法に関する記載がないことから、同物質を特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」として認定することの可否が問題となった。 知財高裁は、引用文献に接した本件優先日前の当業者が、思考や試行錯誤等の創作能力を発揮するまでもな...
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*Pharma/IP news

エフィナコナゾール(クレナフィン®爪外用液10%)に関する特許権等について

2024年2月19日、科研製薬による「エフィナコナゾール(クレナフィン®爪外用液10%)に関する特許権等について」の謹告文が掲載されました。 2024.02.19 日刊薬業: 【謹告】エフィナコナゾール(クレナフィン®爪外用液10%)に関する特許権等について クレナフィン®爪外用液10%は、科研製薬において創製された新規トリアゾール系化合物であるエフィナコナゾール(efinaconazole)を有...
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*Pharma/IP news

USPTO、人工知能(AI)が関与する特許の発明者(inventorship)に関する詳細なガイダンスを公表

米国特許商標庁(USPTO)は、2024年2月12日、人工知能(AI)が関与する特許の発明者に関する詳細なガイダンスを公表し、翌13日に連邦官報(Federal register)へ掲載しました。このガイダンスは、AIが発明の創作に関与した場合に、発明者をどのように決定すべきかを示しています。 2024.02.13 A Notice by the Patent and Trademark Offi...
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*Pharma/IP news

ミラベグロン(ベタニス®錠)に関する特許権について

2024年2月1日、アステラス製薬による「ミラベグロン(ベタニス®錠)に関する特許権について」の謹告文が掲載されました。 2024.02.01 日刊薬業: 【謹告】ミラベグロン(ベタニスⓇ錠)に関する特許権について ベタニス®錠は、アステラス製薬が創製したミラベグロン(mirabegron)を有効成分とする選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤であり、日本では、2011年7月1日、「過...
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*Case2023

2023.11.22 「X v. 特許庁長官」 知財高裁令和5年(行ケ)10059 ―人為的取決めであって自然法則を利用したものとはいえないとして発明該当性(特許法2条1項)を否定した事例―

1.背景 本件(令和5年(行ケ)10059)は、発明の名称を「患者保有分項目を設けた処方箋と患者保有の医薬品を含めた投与日数算定の一方式」とする特許出願(特願2021-89621号。以下、「本願」という)についての拒絶査定不服審判において「本件審判の請求は、成り立たない。」とした特許庁の審決(以下「本件審決」という。)の取り消しを求めて、出願人Xが提起した拒絶審決取消訴訟である。 本願発明(請求項...
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*Case2024

Seagen社の抗体薬物複合体(ADC)特許と第一三共 Enhertu®(エンハーツ)を巡る特許紛争 特許付与後レビュー(PGR)において米国特許商標庁がSeagen社特許を無効と判断

1.第一三共の発表と補足説明 2024年1月17日、第一三共は、第一三共が米国特許商標庁(USPTO)に請求していたSeagen社の米国特許10,808,039(以下「'039特許」)の有効性を審査する特許付与後レビュー(Post Grant Review、以下「PGR」)において、米国特許商標庁が'039特許は無効であるとの決定を下したと発表しました。 2024.01.17 第一三共 press...
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*Case2023

2023.10.04 「アストラゼネカ v. 日本ジェネリック・東亜薬品」 知財高裁令和5年(ネ)10012 ― 医療用医薬品シムビコート タービュヘイラーの形態の商品等表示該当性、混同を否定した不正競争行為差止等請求事件判決 ―

Summary 本件は、医療用医薬品シムビコート®タービュヘイラー®(控訴人商品)の形態と類似した形態の後発医薬品(被控訴人商品)を製造販売している東亜薬品及び日本ジェネリック(被控訴人ら)の行為は不競法2条1項1号の不正競争行為(周知表示混同惹起行為)に該当するなどと主張して、アストラゼネカ(控訴人)が、被控訴人らに対して、被控訴人商品の譲渡等の差止め及び廃棄を求めるとともに、損害賠償金の支払を...
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*Topics

2024新春「医薬系特許的判例」クロスワードパズルの正解

2024年元旦の記事「2024新春「医薬系特許的判例」クロスワードパズル」はお楽しみいただけましたでしょうか。 色のついたマスの9文字を並べ替えると答えは・・・(ヒントも頼りにすれば)簡単でしたね。 クロスワードパズルの正解は・・・ 「リュウグウノツカイ」 です。 9文字までは簡単に辿りつけたとしても、並べるのは大変だったかもしれません。 2024年は辰年。アシスタントたちからのヒント(「干支」、...
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*Topics

2024新春「医薬系特許的判例」クロスワードパズル

謹 賀 新 年 皆様にとりましてすばらしい一年になりますよう心からお祈り申し上げます 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます 令和6年 元旦 お正月休みに、こたつに入って、みかん🍊を食べながら、クロスワードパズルで頭の体操はいかがでしょうか。 「タテのカギ」と「ヨコのカギ」から連想する言葉を1文字ずつマスに入れ、色のついたマスの9文字を並べ替えて答えを完成させましょう。 ぜひ、お知り合いにも周知・...
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*Topics

Season’s Greetings

Wishing this Christmas will bring so much fun and happiness for you. 【お知らせです】 新春「医薬系特許的判例」クロスワードパズルを、2024年元旦にブログ記事としてアップする予定です。 2024年の縁起を担いで、最速で正解のご連絡をいただいた方には「一番福」🧧の称号が勝手に付与されます。 医薬や特許が専門ではないという方も、「カ...
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*Topics

2023年、医薬系”特許的”な出来事を振り返る。

2023年の医薬系"特許的"な出来事を振り返ります。 Fubuki 2023年も残すところあとわずか。 2023年の医薬系"特許的"な世相を漢字一文字で表すとしたら、何を思い浮かべますか? ニャー わたくしは、「和」だと思いますね。大きな和解もありましたし、平和な世の中になってほしいです。 ピポ 確かに。令和に、東和と共和と協和キリンが争った事件もあったしな。これ、和・和・和・和が並んでびっくり、...
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*Pharma/IP news

Novartis社のTafinlar®(dabrafenib)を巡る特許権侵害訴訟:特許クレームで競合品の捕獲に成功し、第一三共が182百万米ドルの和解金を獲得

2023年12月6日の第一三共のプレスリリース「当社子会社の米国特許侵害訴訟(和解)に関するお知らせ」によると、Novartis社のBRAF阻害剤Tafinlar®(有効成分: dabrafenib)に関して、第一三共の米国子会社であるPlexxikon社が保有する米国特許9,469,640及び9,844,539を侵害しているとして、Plexxikon社が2017年8月に米国カリフォルニア州北部地...
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*Pharma/IP news

BMS スプリセル®錠(一般名:ダサチニブ水和物)の後発品を巡る特許権侵害訴訟で東京地裁が沢井製薬のダサチニブ錠の製造販売行為を禁止する仮処分命令を発出 ― 本当の問題点 ―

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(以下「BMS Japan」)のプレスリリースによると、2023年11月28日、東京地方裁判所から、沢井製薬に対し、BMS Japan が製造販売承認を取得している「スプリセル®錠 20 mg/50mg」(一般名:ダサチニブ水和物)の後発医薬品である沢井製薬の「ダサチニブ錠 20mg/50mg 「サワイ」」(対象製品)に関し、当該製品に係る製造販売行為等を禁...
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*Pharma/IP news

FDAのOrange Book(オレンジブック)に不適切?に収載された100件以上の特許、製薬企業10社にFTCが警告

2023年11月7日、米国連邦取引委員会(FTC)は、喘息用吸入薬、エピネフリン自動注射器、およびその他の医薬品について製薬企業が保有する100件以上の特許が、米国食品医薬品局(FDA)が発行する「Orange Book」に不適切または不正確に収載されているとして、製薬企業10社に対して異議を唱える通知をしたことを発表しました。 2023.11.07 Federal Trade Commissio...
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