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*Case2024

2024.08.07 「科研製薬 v. リジェネロン/サノフィ」 知財高裁令和5年(行ケ)10019 ― 臨床試験結果に基づく医薬用途発明の特許出願のジレンマ:臨床試験プロトコル公開のインパクト

1.はじめに アトピー性皮膚炎治療のための抗インターロイキン-4受容体(IL-4R)抗体を含有する医薬組成物に関するリジェネロン及びサノフィの特許に対する無効審判請求を不成立とした審決を不服として科研製薬が提起した審決取消訴訟(知財高裁令和5年(行ケ)10019)で、知財高裁は、本件審決の判断に誤りはなく、科研製薬が主張する取消事由(進歩性、サポート要件及び実施可能要件に関する誤り)はいずれも理由...
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*Case2024

2024.03.27 「東亜産業 v. neo ALA」 知財高裁令和5年(ネ)10086 ― 控訴棄却判決、差止め及び廃棄請求について仮執行宣言(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) ―

Summary 発明の名称を「5-アミノレブリン酸リン酸塩、その製造方法及びその用途」とする本件特許を保有する被控訴人(neo ALA)が、控訴人(東亜産業)による各控訴人製品の製造、譲渡等が特許権の侵害に当たると主張して、控訴人に対し、その差止め等を求めた特許権侵害差止請求事件で、知財高裁は、被控訴人の請求を全部認容した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、また、原...
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*Case2024

2024.01.16 「ユーピー ケミカル v. バーサム マテリアルズ」 知財高裁令和4年(行ケ)10097 ― 化学物質名の記載が特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」であること(引用発明の適格性)の判断基準 ―

Summary 「ジイソプロピルアミノシラン」に係る特許発明の新規性等が争点となった無効請求不成立審決取消訴訟で、引用文献には、同物質が記載されているといえるものの、その製造方法に関する記載がないことから、同物質を特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」として認定することの可否が問題となった。 知財高裁は、引用文献に接した本件優先日前の当業者が、思考や試行錯誤等の創作能力を発揮するまでもな...
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*Case2023

2023.07.28 「neo ALA v. 東亜産業」 東京地裁令和4年(ワ)9716(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) - 製品には特許発明に係る化学物質を含むがその純度は低いと主張して発明の技術的範囲の属否を争った事例 -

Summary 「5-アミノレブリン酸リン酸塩」を巡る特許権侵害訴訟で、東京地裁は、neo ALA(原告)の請求を認め、東亜産業(被告)による各製品の製造等の差止め及び廃棄を命じる判決を言い渡した。 本件発明は新規な化学物質の発明であるところ、被告は、「各被告製品は、5-アミノレブリン酸リン酸塩を含んでいるものの、単離されておらず、高純度のものではないから、本件発明を充足しない」と主張した。 しか...
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*Case2023

2023.04.06 「グリーンクロス v. シャイアー」 知財高裁令和4年(行ケ)10010 - 医薬用途発明の優先権の効果が認められるには?/本件特許はイズロン酸-2-スルファターゼ脳室内投与製剤(ムコ多糖症II型治療剤ヒュンタラーゼ®)の障害となるのか? -

Summary 本件は、シャイアーの特許(第6466538号)に対して、グリーンクロスがした無効請求の不成立審決取消訴訟である。 知財高裁は、基礎出願2には本件発明の効果が実質的に記載されていたとは認められないとして、審決による優先権の判断は誤りであったと判断したものの、それをもって直ちに本件審決を取り消すべきという結論において理由はないと判断した。 さらに、知財高裁は、その他の進歩性の判断の誤り...
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*Case2023

2023.03.22 「東亜産業 v. neo ALA」 知財高裁令和4年(行ケ)10091(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) - 刊行物に新規化学物質の発明が記載されているといえるか(引用発明の適格性)の判断基準 -

Summary 5-アミノレブリン酸リン酸塩(5-ALAホスフェート)に係る特許発明の新規性が争点となった審決取消請求事件で、引用文献には、同物質が記載されているといえるものの、その製造方法に関する記載が見当たらないことから、同物質を引用発明として認定することの可否が問題となった。 知財高裁は、引用文献からは同物質を引用発明として認定することはできないと判断し、本件発明は引用発明に対して新規性を欠...
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*Case2023

2023.01.12 「東和薬品・共和薬品工業・日医工 v. 協和キリン」 令和3年(行ケ)10155, 10157・・・パーキンソン病治療剤ノウリアスト®の医薬用途発明の特許性 引用文献記載は「実証的でない」と判断

Summary パーキンソン病治療剤ノウリアスト®(一般名:イストラデフィリン)の医薬用途発明に係る協和キリンの特許第4376630号についての無効請求不成立審決の取消訴訟で、裁判所は、原告ら(東和薬品、共和薬品工業、日医工)の取消事由(新規性の欠如、進歩性の欠如等)は理由がないとして、原告らの請求を棄却する判決を言い渡した。 その判断は、引用文献(発明者らが共著者であった)の考察の記載は試験結果...
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*Case2022

2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和4年(ネ)10065・・・エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定(エディロール®後発医薬品に対する特許権侵害差止等請求控訴事件)

Summary 骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの前腕部骨折抑制剤に関する医薬用途発明(特許第5969161号)に係る特許権を保有する中外製薬が、沢井製薬及び日医工がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。 原審は、本件発明はいずれも乙1文献に記載された発明に基づき新規性が欠如し、本件訂正によってもその無効理由は解消さ...
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*Case2022

2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和3年(行ケ)10066・・・「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定

Summary 中外製薬及び大正製薬の「エルデカルシトールを含有する前腕部骨折抑制剤」に関する医薬用途発明に係る特許第5969161号の無効審決取消請求事件。 本件各訂正発明は「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、公知の甲1発明では特定されていなかった本件各訂正発明の各相違点が、甲1発明との実質的な相違点といえるか否か(新規性の判断)が争われた。 知財高裁(第3部)は...
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*Case2022

2022.05.27 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 東京地裁令和2年(ワ)13326; 13331 エディロール®用途発明に係る特許権侵害差止等請求事件・・・新規性判断への疑問点

Summary 骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの用途発明に係る特許権を保有する中外製薬(原告)が、沢井製薬及び日医工(被告ら)がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。 本件発明は、「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、本件発明と公知の乙1発明が相違するといえるかが問題となった。 裁判所...
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*Case2022

疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)の後発医薬品の特許権侵害訴訟で控訴審(知財高裁)判決出揃う 全ての「痛み」の用途特許は無効、特許権侵害認めず・・・4つの部で本件訂正が新規事項追加か否かへの向き合い方に違い

発明の名称を「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」とする特許第3693258号に係る特許権者であるワーナー-ランバートが、効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の後発医薬品を販売するなどする行為はいずれも特許権を侵害すると主張し、後発医薬品メーカーらに対し、その後発医薬品の製造、販売等の差止め及び廃棄を求めた特許権侵害差止請求控訴事件。 先発医...
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*Case2022

2022.06.29 「ワーナー-ランバート v. 大原薬品工業・共創未来ファーマ・三和化学研究所・キョーリンリメディオ・杏林製薬」 知財高裁令和4年(ネ)10015・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)特許権侵害訴訟 控訴審も非侵害の判決

Summary 効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許に係る特許権者(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(大原薬品工業・共創未来ファーマ・三和化学研究所・キョーリンリメディオ・杏林製薬)との間で争われていた、特許権侵害差止請求事件の控訴審。 知財高裁(第2部)は、ワーナー-ランバートの請求を全部棄却した原判決は相当であるとし...
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*Case2022

2022.03.07 「ワーナー-ランバート v. 沢井製薬外15社」知財高裁令和2年(行ケ)10135・・・「痛み」を特定する本件訂正は当該痛みに「効果を奏すること」の記載がないから新規事項の追加に当たる

Summary ワーナー-ランバートが保有する「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」に関する特許第3693258号の無効審決取消訴訟。 知財高裁は、 「痛み」に関する本件発明を「神経障害や線維筋痛症による痛覚過敏や接触異痛の痛み」に特定する本件訂正について、本件明細書には「痛み」に当該痛みが含まれる旨の記載があるが、当該痛みに「効果を奏すること」の記載がないから、新規事項の追加に当...
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*Case2021

2021.12.10 「ワーナー-ランバート v. 第一三共エスファ・第一三共」 東京地裁令和2年(ワ)22283・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断④

Summary 効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(第一三共エスファ及び第一三共)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。 東京地裁(民事第40部)は、 全ての「痛み」に関する訂正前発明1及び2に係る特許は、実施可能要件及びサポート要件の各違反により...
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*Case2021

2021.11.30 「ワーナー-ランバート v. 日新製薬・Meiji Seika ファルマ」 東京地裁令和2年(ワ)19918/22291・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断③

Summary 効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(日新製薬・Meiji Seika ファルマ)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。 東京地裁は、 全ての「痛み」に関する本件発明1及び2については、実施可能要件違反により無効である 本件発明1及び...
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*Case2022

2022.01.19 「ワーナー-ランバート v. 武田テバファーマ・武田薬品工業」 東京地裁令和2年(ワ)22290/26770・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断②

Summary 効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を製造等する被告ら(武田テバファーマ及び武田薬品工業)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。 東京地裁は、 「痛み」に関する本件発明1及び2については、実施可能要件違反及びサポート要件違反により無効である 本件発明2...
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*Case2021

2021.12.24 「ワーナー-ランバート v. 小林化工」 東京地裁令和2年(ワ)19927・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断①

本件(東京地裁令和2年(ワ)19927)は、発明の名称を「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」とする特許第3693258号に係る特許権の特許権者である原告(ワーナー-ランバート)が、被告(小林化工)に対し、プレガバリンを有効成分とし「効能又は効果」を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」として承認を受けた後発医薬品プレガバリンOD錠「KN」(被告医薬品)が本件特許の特許請求の範囲...
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*Case2021

2021.08.31 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10056 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判②

・・・特許6043008の進歩性を認めた審決を取り消す。 >①から続く 前回記事「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判①」 1.はじめに 旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが、テリパラチドの週1回投与を特徴とする発明に係る7つの特許(存続期間満了は2030年...
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*Case2021

2021.08.31 「旭化成ファーマ v. 沢井製薬」 知財高裁令和2年(行ケ)10004 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判①

・・・予測をすることができなかった顕著な効果を奏するものであると認めることはできない。特許6274634は進歩性なしと判断された。 1.はじめに 旭化成ファーマ(株)は、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分であるN端側の1-34ペプチド断片であるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」を製造販売している(再審...
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*Case2021

2021.06.29 「EAファーマ v. 沢井製薬・大原薬品工業」 知財高裁令和2年(行ケ)10094

・・・パリエット®のPPI抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法に関する用法・用量特許を無効とする判断。臨床試験の結果を頼りとする特許出願のタイミングについて ー特許取得可能性の観点とジェネリックへの対抗力の観点からー 1.パリエット®の「PPI抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法に関する用法・用量」追加とジェネリックの参入 エーザイは、2017年9月22日にパリエット®錠5mg/10mg(一般名: ラ...
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*Case2018

2018.04.13 「日本ケミファ v. 塩野義」 知財高裁平成28年(行ケ)10260

ロスバスタチンカルシウム(クレストール®)物質特許の無効審判請求取消訴訟: 知財高裁平成28年(行ケ)10260 塩野義製薬(被告)が保有する「ピリミジン誘導体」に関する特許(第2648897号; 2017.05.28満了)の無効審判請求(請求人: 日本ケミファ)を不成立とする審決(無効2016-800032号)の取消訴訟。争点は、訴えの利益の有無、進歩性の有無及びサポート要件違反の有無。本件は請...
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*Case2018

2018.04.13 「日本ケミファ v. 塩野義」 知財高裁平成28年(行ケ)10182; 10184

知財高裁大合議判決「膨大な数の選択肢を有する一般式形式記載の化合物が引用発明となる場合とは」: 知財高裁平成28年(行ケ)10182; 10184 【背景】 塩野義製薬が保有していた「ピリミジン誘導体」に関する特許(第2648897号; 2017.05.28満了)無効審判請求(請求人として参加: 日本ケミファ)を不成立とする審決(無効2015-800095号)の取消訴訟。争点は、訴えの利益の有無、...
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*Case2018

2018.01.22 「バイエルクロップサイエンス v. ビ-エ-エスエフ」 知財高裁平成29年(行ケ)10007

化学物質(マーカッシュ形式)に係る発明の訂正要件・実施可能要件・サポート要件・進歩性: 知財高裁平成29年(行ケ)10007 【背景】 ビ-エ-エスエフ(被告)が保有する「2-ベンゾイルシクロヘキサン-1,3-ジオン」に関する特許(第4592183号)の無効審判請求不成立審決(無効2015-800065)の取消訴訟。 審決の理由は、本件訂正を認めた上で、実施可能要件・サポート要件違反ではなく、進歩...
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*Case2017

2017.09.11 「三菱ケミカル v. 理研ビタミン」 知財高裁平成28年(行ケ)10056

進歩性判断の考慮要素にできる顕著な効果の明細書記載: 知財高裁平成28年(行ケ)10056 【背景】 原告(三菱ケミカル)が保有する「コーヒー飲料」に関する特許権(第5252873)の無効審決(無効2014-800165)取消訴訟。争点は進歩性における顕著な効果に関する判断。 原告は、「本件発明1には,「コーヒー特有の苦み・酸味・渋み」が弱いという効果があり,その効果は,TPの含有とマンナン分解酵...
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*Case2017

2017.07.12 「X v. シアトル ジェネティクス」 知財高裁平成28年(行ケ)10148

明細書記載データの一部分に誤記があったときの釈明: 知財高裁平成28年(行ケ)10148 【背景】 被告(シアトル ジェネティクス)が保有する「低いコアフコシル化を有する抗体及び抗体誘導体を調製するための方法並びに組成物」に関する特許第5624535号の特許無効審判請求を不成立とした審決(無効2015-800102号)の取消訴訟。争点は、①進歩性の判断の当否(相違点の容易想到性の判断の誤り)、②実...
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*Case2017

2017.02.28 「ザ・ヘンリー・エム・ジャクソン・ファンデイション v. 特許庁長官」 知財高裁平成28年(行ケ)10107

臨床効果が証明されていなければ引用発明にならない?: 知財高裁平成28年(行ケ)10107 【背景】 「乳癌再発の予防用ワクチン」に関する特許出願(特願2011-540853; 特表2012-511578; WO2010/068647)の拒絶審決(不服2014-19365)取消訴訟。争点は、引用発明の認定の適否。 請求項1: 製薬上許容される担体,配列番号2のアミノ酸配列を有するペプチドの有効量及...
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*Case2016

2016.11.28 「旭化成ファーマ v. 特許庁長官」 知財高裁平成27年(行ケ)10241

患者群を特定した医薬用途発明の進歩性(骨粗鬆症治療剤テリボン®):知財高裁平成27年(行ケ)10241 【背景】 「1回当たり100~200単位のPTHが週1回投与されることを特徴とする,PTH含有骨粗鬆症治療/予防剤」に関する特許出願(特願2011-530844; 再表2011/030774; WO2011/030774)の拒絶審決(不服2015-9596)取消訴訟。争点は新規性・進歩性。 請求...
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*Case2016

2016.03.31 「タイワンジェ v. 特許庁長官」 知財高裁平成27年(行ケ)10052

医薬用途発明の記載要件: 知財高裁平成27年(行ケ)10052 【背景】 「ナルメフェン及びそれの類似体を使用する疾患の処置」に関する特許出願(特願2007-531272; 特表2008-512462)拒絶審決(不服2012-20646号)取消訴訟。争点は記載要件。 請求項1: B型肝炎より選択された,ウィルス性の感染,器官の損傷が肝臓の損傷,肺の損傷,及び腎臓の損傷であるところの器官の損傷,並び...
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*Case2016

2016.03.24 「東和薬品 v. イコス」 知財高裁平成27年(行ケ)10113

タダラフィルの特定用量製剤(シアリス錠)特許: 知財高裁平成27年(行ケ)10113 【背景】 被告(イコス)が保有する「単位製剤」に関する特許(第4975214号; WO2000/066099; 存続期間満了日2020.4.26)の無効審判請求を不成立とした審決(無効2013-800243)の取消訴訟。争点は進歩性の有無。 請求項1(本件発明1): 1日あたり20mgの総用量を上限として,以下の...
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*Case2016

2016.03.08 「キュアバック v. 特許庁長官」 知財高裁平成27年(行ケ)10043

治療用複合化RNA: 知財高裁平成27年(行ケ)10043 【背景】 「トランスフェクションおよび免疫活性化のためのRNAの複合化」に関する特許出願(特願2010-523324号; WO2009/030481; 特表2010-537651)の拒絶審決(不服2013-11636)取消訴訟。 争点は進歩性の有無。 本願補正発明は、細胞内へのRNA輸送に適した効率的なキ ャリアを提供し、腫瘍、循環器病や...
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*Case2013

2013.10.16 「沢井製薬 v. 第一三共」 知財高裁平成24年(行ケ)10419

米国カルベジロール試験の信憑性と顕著な効果: 知財高裁平成24年(行ケ)10419 【背景】 被告(第一三共)が有する「うっ血性心不全の治療へのカルバゾール化合物の利用」に関する特許(3546058)に対して原告(沢井製薬)がした無効審判請求を不成立とした審決(無効2007-800192)の取消訴訟。 請求項1: 利尿薬,アンギオテンシン変換酵素阻害剤および/またはジゴキシンでのバックグランド療法...
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*Case2013

2013.02.12 「MIT v. 特許庁長官」 知財高裁平成24年(行ケ)10071

併用医薬の薬理試験結果と実施可能要件: 知財高裁平成24年(行ケ)10071 【背景】 「処方した人の脳シチジンレベルを上昇させる薬を調合するためのウリジンの使用方法及び同薬として使用する組成物」に関する出願(特願2000-562028; 特表2003-517437; WO00/006174)の拒絶審決(不服2008-23607号)取消訴訟。 審決は、本件出願は実施可能要件を満たしていないから拒絶...
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*Case2012

2012.06.28 「ジェネンテック v. 特許庁長官」 知財高裁平成23年(行ケ)10179

hVEGF拮抗剤の加齢性黄斑変性に対する治療作用の裏付け: 知財高裁平成23年(行ケ)10179 【背景】 「血管内皮増殖因子拮抗剤」に関する特許出願(平成8年特許願第529682号、特表平11-502853、WO96/30046)の拒絶審決(不服2007-23530号)取消訴訟。審決は、実施可能要件違反およびサポート要件違反であると判断した。 請求項1: 加齢性黄斑変性の治療のための医薬の調製に...
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*Case2012

2012.04.11 「沢井製薬 v. 武田薬品」 知財高裁平成23年(行ケ)10148

アクトス(ACTOS)併用発明の新規性判断: 知財高裁平成23年(行ケ)10148 【背景】 武田薬品(被告)の特許(第3148973号)に対する沢井製薬(原告)の特許無効審判の請求について、請求は成り立たないとした審決(無効2010-800087)(参照: 2011.03.22 「沢井製薬 v. 武田薬品」 特許無効審判事件 2010-800087, 2010-800088)の取消訴訟。 請求項...
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*Case2011

2011.04.07 「アボット・セントラル硝子 v. バクスター」 知財高裁平成22年(行ケ)10249, 10250

数値限定と実施可能要件: 知財高裁平成22年(行ケ)10249, 10250 【背景】 「フルオロエーテル組成物及びルイス酸の存在下におけるその組成物の分解抑制法」に関する原告らの特許(特許第3183520号)の無効審決(無効2007-800138; 無効2005-80139)取消訴訟である。争点は、訂正後の請求項1ないし4の発明の実施可能要件の有無だった。 請求項1(本件訂正発明1)(下線部が訂...
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*Case2011

2011.03.22 「沢井製薬 v. 武田薬品」 特許無効審判事件 2010-800087, 2010-800088

アクトス(ACTOS)併用の進歩性判断における効果の格別顕著性: 無効2010-800087及び無効2010-800088 沢井製薬が請求した、武田薬品が有する「ピオグリタゾンと他の糖尿病薬との併用」に関する特許(特許3148973及び特許3973280)の無効審判(無効2010-800087及び無効2010-800088)について、特許庁は一部クレームについては無効としたが、他のクレームについて...
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*Case2010

2010.10.12 「ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア v. 特許庁長官」 知財高裁平成22年(行ケ)10029

細胞の入手可能性と引用発明適格性: 知財高裁平成22年(行ケ)10029 【背景】 「抗ガングリオシド抗体を産生するヒトのBリンパ芽腫細胞系」に関する出願(PCT/US94/1469、WO94/19457、特願平6-519027、特表平8-507209)の拒絶審決(不服2005-8566)取消訴訟。 請求項1: L612として同定され,アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American...
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*Case2010

2010.01.28 「ベーリンガー インゲルハイム v. 特許庁長官」 知財高裁平成21年(行ケ)10033

医薬用途発明のサポート要件(特36条6項1号)とは?: 知財高裁平成21年(行ケ)10033 【背景】 「性的障害の治療におけるフリバンセリンの使用」に関する出願(特願2003-537639; 特表2005-506370)の拒絶審決取消訴訟。審決は、特許明細書には、フリバンセリン類の性欲障害治療用薬剤としての「有用性を裏付ける薬理データ又はそれと同視すべき程度」の記載がされていないことのみを理由と...
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*Case2010

2010.01.20 「三和酒類・大麦発酵研究所 v. 特許庁長官」 知財高裁平成21年(行ケ)10134

疾病への効果に関する医薬用途発明のサポート要件を満たすには?: 知財高裁平成21年(行ケ)10134 【背景】 「抗酸化作用を有する組成物からなる抗酸化剤」に関する発明(特願2003-27902; 特開2004-238453)について、新請求項の補正は新規事項を追加するものであり、また、明細書のサポート要件違反等により独立特許要件を欠くとしてこれを却下し、その結果進歩性なしとした拒絶審決に対する審...
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*Case2009

2009.04.23 「バクスター v. アボット・セントラル硝子」 知財高裁平成18年(行ケ)10489

数値限定と実施可能要件: 知財高裁平成18年(行ケ)10489 【背景】 「フルオロエーテル組成物及び,ルイス酸の存在下におけるその組成物の分解抑制法」に関する特許(第3183520号)について、原告(バクスター)がした特許無効審判請求を不成立とした審決の取消しを求める事案。 原告は、①29条1項3号、②29条2項、③29条の2、④36条4項違反を主張した。 請求項1: 麻酔薬組成物であって, 一...
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*Case2008

2008.11.26 「バイエル v. 大洋薬品」 東京地裁平成19年(ワ)26761

高純度アカルボース事件: 東京地裁平成19年(ワ)26761 【背景】 高純度アカルボースについての特許権(第2502551号)を有する原告(バイエル)が、被告(大洋薬品)製剤の製造・販売行為は特許権を侵害するとして、被告製剤の製造及び販売の差止め等を求めた。 主な争点は、 (1)本件特許発明は特開昭57-185298(乙2)及び特開昭57-212196(乙3)(いずれも原告自身の出願公開)により...
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*Case2008

2008.11.20 「バイエルクロップサイエンス v. エンシステックス」 知財高裁平成20年(行ケ)10068

イエシロアリ又はヤマトシロアリより保護するための害虫防除剤: 知財高裁平成20年(行ケ)10068 【背景】 バイエルクロップサイエンス(原告)が有する「工芸素材類を害虫より保護するための害虫防除剤」に関する特許(特許3162450号)について、エンシステックス(被告)から無効審判請求がなされ、その中で特許庁が訂正を認めた上、本件訂正発明1,2についての特許を無効とする旨の審決をしたことから、原告...
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*Case2007

2007.06.28 「アプライド・リサーチ・システムズ v. 特許庁長官」 知財高裁平成18年(行ケ)10442

医薬用途発明の効果の定量性: 知財高裁平成18年(行ケ)10442 【背景】 原告は、「受精能を変化させる方法」との発明(特表平9-509418)について拒絶査定不服審判を請求したが、請求は成り立たない旨の審決をされたため、審決取消訴訟を提起した。 【要旨】 裁判所は、特36条4項について、 「この要件を医薬についての用途発明についてみると,一般に,物質名,化学構造だけからその有用性を予測すること...
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*Case2008

2008.07.30 「ファルマシア・アンド・アップジョン v. 特許庁長官」 知財高裁平成19年(行ケ)10377

用途発明の引用適格: 知財高裁平成19年(行ケ)10377 【背景】 「高選択的ノルエピネフリン再取込みインヒビターおよびその使用方法」に関する発明(特表2003-503450)は引例との関係で進歩性なし、とされた拒絶審決に対する審決取消訴訟。 請求項1(本願補正発明1): ノルエピネフリン再取込みの選択的阻害は望まれるが,セロトニン再取込みの阻害は望まれない慢性疼痛の治療または予防のための医薬組...
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*Case2007

2007.03.01 「ブリストルマイヤーズスクイブ v. 日本ケミカルリサーチ」 知財高裁平成17年(行ケ)10818

臨床試験プロトコールと引例適格: 知財高裁平成17年(行ケ)10818 【背景】 BRISTOL MYERS SQUIBB(原告)は「タキソールを有効成分とする制癌剤」に関する特許(特許第2848760号)の特許権者であったが、新規性、進歩性、及びサポート要件を満たさないとの理由で無効審決とされたため、取消訴訟を提起した。 問題となった請求項1は、 「固形癌、白血病または卵巣癌~患者を治療するため...
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