Case Archives

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*Case2024

2024.11.07 「再生未来・再生ファーマ v. 神戸医療産業都市推進機構」 大阪地裁令和4年(ワ)9696・令和4年(ワ)10968 ― 委受託研究契約「協議し決定するものとする」条項で起きた顛末 ―

1.背景 本件(令和4年(ワ)9696 損害賠償請求事件(甲事件)・令和4年(ワ)10968 特許権移転登録手続請求事件(乙事件))は、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(以下「被告」)に研究を委託する契約を締結した医療法人再生未来(以下「原告再生未来」)が、被告の研究者P3により発明された本件発明が本件契約に基づく研究により得られた成果物であることを前提として、 原告再生未来が、P3が本件発明...
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*Case2024

2024.09.26 「旭化成ファーマ v. 沢井製薬」 大阪地裁令和4年(ワ)3344 ― 引用文献に明示されていない酸化抑制の構成を相違点と認定し、内在理論に基づいた容易想到性を否定した事例 ―

1.はじめに 本件(大阪地裁令和4年(ワ)3344)は、沢井製薬が骨粗鬆症治療薬「テリボン®皮下注用56.5μg」(有効成分:ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分であるN端側1-34ペプチド断片のテリパラチド酢酸塩)の後発医薬品を製造・販売したことに対し、その製品が旭化成ファーマの特許権を侵害しているとして、旭化成ファーマが販売差止め及び損害賠償を求めた訴訟である。 旭化成ファーマの特許権は、...
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*Case2024

2024.09.26 「ノーベルファーマ v. 沢井製薬」 東京地裁令和5年(ワ)70178 ― ノベルジン®(酢酸亜鉛水和物錠)後発医薬品の製法は「(乾燥して造粒物を得る工程における)品温が40℃未満」を充足するか

Summary 本件は、ノーベルファーマが、酢酸亜鉛水和物錠の製造方法に関する特許権を沢井製薬が侵害していると主張し、沢井製薬の製品(ノーベルファーマの先発医薬品ノベルジン®の後発医薬品)の製造・販売の差止め及び廃棄を求めた事案である。 争点は、沢井製薬の製造方法が特許発明の構成要件「(乾燥して造粒物を得る工程における)品温が40℃未満」を充足するか否かであった。 東京地裁は、沢井製薬から提出され...
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*Case2024

2024.10.22 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和6年(ラ)10001 ― 仮処分決定を不服とする保全異議申立却下決定に対する保全抗告事件 ―

本件(知財高裁令和6年(ラ)10001)は、旭化成ファーマが、沢井製薬(抗告人)が製造・販売する骨粗鬆症治療薬「テリボン®皮下注用56.5μg」の後発医薬品(抗告人製品)が「高純度PTH含有凍結乾燥製剤およびその製造方法」に関する特許権(特許第6025881号)を侵害するとして、その製品の製造・販売の差止めや製品の引渡し、薬価基準収載品目削除を求めた仮処分命令申立て(大阪地裁令和4年(ヨ)2001...
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*Case2024

2024.10.28 「サムスン v. バイエル」東京地裁令和6年(ヨ)30029 ― パテントリンケージにおける特許権者による情報提供と不競法の虚偽告知該当性 ―

Summary 本件は、後発メーカーのサムスンが、バイオ後続品が本件特許権を侵害するとして先発メーカーのバイエルが厚労省に情報提供した行為が不競法2条1項21号に定める不正競争に該当すると主張し、その告知行為の差止めの仮処分を求めた事案である。 東京地方裁判所は、バイエルの情報提供は虚偽の回答に該当するとしつつ、パテントリンケージ制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものではないと判断し、サム...
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*Case2023

2023.09.28 「アムジェン v. サノフィ」東京地裁令和2年(ワ)8642 ― 取得困難を自認した出願後の発明者のメール内容が実施可能要件及びサポート要件の判断に影響した事例 ―

1.はじめに 抗PCSK9抗体に関する特許権(特許第5705288号及び第5906333号)を有するアムジェンが抗PCSK9抗体製剤プラルエント®を販売するサノフィを特許権侵害で提訴した前訴判決では、アムジェンが勝訴し、販売差止めを命じる同判決は確定していた。本件(東京地裁令和2年(ワ)8642)は、アムジェンが、サノフィに対し、同侵害行為に基づく損害賠償の支払を求めた事案である。 アムジェンとサ...
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*Case2024

2024.08.07 「科研製薬 v. リジェネロン/サノフィ」 知財高裁令和5年(行ケ)10019 ― 臨床試験結果に基づく医薬用途発明の特許出願のジレンマ:臨床試験プロトコル公開のインパクト

1.はじめに アトピー性皮膚炎治療のための抗インターロイキン-4受容体(IL-4R)抗体を含有する医薬組成物に関するリジェネロン及びサノフィの特許に対する無効審判請求を不成立とした審決を不服として科研製薬が提起した審決取消訴訟(知財高裁令和5年(行ケ)10019)で、知財高裁は、本件審決の判断に誤りはなく、科研製薬が主張する取消事由(進歩性、サポート要件及び実施可能要件に関する誤り)はいずれも理由...
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*Case2024

公正取引委員会、ASP Japanに排除措置命令 – 後発フタラール製剤の使用を阻止する抱き合わせ販売を違法行為と認定

公正取引委員会は、2024年7月26日、ASP Japan合同会社(以下「ASP」)に対して独占禁止法の規定に基づく排除措置命令(令和6年(措)第9号)を行ったことを発表しました。 参照: 2024.07.26 公正取引委員会: ASP Japan合同会社に対する排除措置命令について (印刷用)(令和6年7月26日)ASP Japan合同会社に対する排除措置命令について (令和6年7月26日)本件...
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*Case2024

2024.07.16 Sanofi v. Amgen 459505/2023 (UPC_1/2023) - 医薬特許で初のセントラルアタック(Central revocation) 欧州統一特許裁判所(UPC)がAmgenの抗PCSK9抗体特許を無効と判断 -

2024年7月16日、欧州統一特許裁判所(Unified Patent Court、以下「UPC」)の中央部(ミュンヘン支部)は、Amgen社の特許EP3666797B1が進歩性を欠くとして無効との判決を下しました。 問題となったのは、機能的に表現された抗PCSK9抗体クレームです。 参照:Sanofi v. Amgen, Registry number ACT_459505/2023 UPC_C...
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*Case2024

2024.03.25 「X v. 全星薬品工業」 知財高裁令和5年(ネ)10090 ― 塩酸アンブロキソール徐放性OD錠職務発明対価請求控訴事件 「発明の特徴的部分」への寄与の有無に基づき元製剤技術部長の発明者適格を否定 ―

Summary 発明の名称を「徐放性塩酸アンブロキソール口腔内崩壊錠」とする特許第5919173号に係る本件発明2等に関して、被告(全星薬品工業)の元従業者であった原告が被告に対して提起した職務発明対価請求控訴事件で、知財高裁は、「発明の特徴的部分とは、特許請求の範囲に記載された発明の構成のうち従来技術にはみられない部分、すなわち、当該発明に特有の課題解決手段を基礎付ける部分を指すものと解するのが...
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*Case2024

2024.03.26 「フマキラー v. アース製薬」 知財高裁令和5年(行ケ)10057 ― 優先権主張の効果、補正・訂正要件、実施可能要件の交差点 ―

Summary 本件は、フマキラー(原告)が、アース製薬(被告)が特許権者である特許第6539407号に対する無効請求不成立審決の取消しを求めた事案であり、実施例補充型の国内優先権主張の効果が認められるかどうかが実質的な争点であった。 知財高裁は、「人工乳首事件」東京高裁判決の説示を踏襲しつつ、「後の出願の特許請求の範囲に記載された発明の要旨とする技術的事項が、先の出願の当初明細書等に記載された技...
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*Case2024

2024.05.16 「A v. 特許庁長官」 東京地裁令和5年(行ウ)5001 ― 発明者は自然人に限られる。AI発明をめぐる実務上の懸念に対し立法論の検討が期待されると付言 ―

Summary Stephen Thaler博士のAIコンピュータ「DABUS」が生み出した発明について「DABUS」を発明者とした特許出願の発明者適格が争われた訴訟で、東京地裁は、発明者は自然人に限られるものと解するのが相当であり、自然人の氏名を記載するよう命じられた原告が補正をしなかったことにより特許庁長官が本件出願を却下する処分をしたことは適法であると認めるのが相当であるとして、原告の請求を...
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*Case2024

2024.03.21 「大塚製薬 v. トーアエイヨー・ニプロ・東和薬品」 知財高裁令和4年(行ケ)10084 ― サムスカ®の有効成分トルバプタンに関する医薬用途発明の進歩性 ―

Summary 本件は、発明の名称を「重症心不全の治療方法およびその薬剤」とする特許第4771937号の特許権者である大塚製薬(原告)が、本件特許を無効と判断した審決を不服として、その取消しを求めた事案である。 知財高裁は、進歩性欠如を理由として本件特許を無効であると判断した本件審決を支持し、大塚製薬の請求を棄却する判決をした。 この事件には、バソプレシン V2-受容体拮抗薬であるトルバプタン(T...
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*Case2024

2024.03.18 「テバ・東和薬品・日医工・日本ケミファ・ヘキサル v. ジー.ディー.サール」 知財高裁令和4年(行ケ)10127, 10128, 10129, 10130, 令和5年(行ケ)10027 ― セレコキシブ組成物特許の訂正事項とプロダクト・バイ・プロセス表現の難しさ ―

Summary 本件は、ジー.ディー.サール(被告)が保有する「セレコキシブ組成物」に関する特許に対する無効審判請求不成立審決を取り消す前訴判決の差戻し審判で、特許庁は、被告による本件訂正を認め、テバ、東和薬品、日医工、日本ケミファ、ヘキサル(原告ら)の主張する無効理由はいずれも理由がないとして審判請求は成り立たない旨の審決(本件審決)をしたため、原告らが審決の取消しを求めて提起した訴訟である。 ...
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*Case2024

2024.03.25 「X v. クリニジェン」 知財高裁令和5年(ネ)10103 ― 本件訴えは前件訴訟の蒸し返しであり信義則に反する不適法なものであるとして控訴を棄却した損害賠償請求事件  ―

Summary クリニジェン株式会社が本件国内移行手続を執らなかった行為及び本件発明の権利化の機会を発明者である原告Xに与えなかった行為が譲渡契約上の債務不履行を構成すると主張して原告Xが同社に対し損害賠償の支払を求めた控訴審で、知財高裁は、本件訴えは前件訴訟(東京地裁令和3年(ワ)4655)の蒸し返しであって、訴訟法上の信義則に反する不適法なものであり、本件訴えを却下した原判決は相当であるとして...
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*Case2024

2024.03.27 「東亜産業 v. neo ALA」 知財高裁令和5年(ネ)10086 ― 控訴棄却判決、差止め及び廃棄請求について仮執行宣言(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) ―

Summary 発明の名称を「5-アミノレブリン酸リン酸塩、その製造方法及びその用途」とする本件特許を保有する被控訴人(neo ALA)が、控訴人(東亜産業)による各控訴人製品の製造、譲渡等が特許権の侵害に当たると主張して、控訴人に対し、その差止め等を求めた特許権侵害差止請求事件で、知財高裁は、被控訴人の請求を全部認容した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、また、原...
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*Case2024

2024.01.16 「ユーピー ケミカル v. バーサム マテリアルズ」 知財高裁令和4年(行ケ)10097 ― 化学物質名の記載が特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」であること(引用発明の適格性)の判断基準 ―

Summary 「ジイソプロピルアミノシラン」に係る特許発明の新規性等が争点となった無効請求不成立審決取消訴訟で、引用文献には、同物質が記載されているといえるものの、その製造方法に関する記載がないことから、同物質を特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」として認定することの可否が問題となった。 知財高裁は、引用文献に接した本件優先日前の当業者が、思考や試行錯誤等の創作能力を発揮するまでもな...
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*Case2023

2023.11.22 「X v. 特許庁長官」 知財高裁令和5年(行ケ)10059 ―人為的取決めであって自然法則を利用したものとはいえないとして発明該当性(特許法2条1項)を否定した事例―

1.背景 本件(令和5年(行ケ)10059)は、発明の名称を「患者保有分項目を設けた処方箋と患者保有の医薬品を含めた投与日数算定の一方式」とする特許出願(特願2021-89621号。以下、「本願」という)についての拒絶査定不服審判において「本件審判の請求は、成り立たない。」とした特許庁の審決(以下「本件審決」という。)の取り消しを求めて、出願人Xが提起した拒絶審決取消訴訟である。 本願発明(請求項...
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*Case2024

Seagen社の抗体薬物複合体(ADC)特許と第一三共 Enhertu®(エンハーツ)を巡る特許紛争 特許付与後レビュー(PGR)において米国特許商標庁がSeagen社特許を無効と判断

1.第一三共の発表と補足説明 2024年1月17日、第一三共は、第一三共が米国特許商標庁(USPTO)に請求していたSeagen社の米国特許10,808,039(以下「'039特許」)の有効性を審査する特許付与後レビュー(Post Grant Review、以下「PGR」)において、米国特許商標庁が'039特許は無効であるとの決定を下したと発表しました。 2024.01.17 第一三共 press...
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*Case2023

2023.10.04 「アストラゼネカ v. 日本ジェネリック・東亜薬品」 知財高裁令和5年(ネ)10012 ― 医療用医薬品シムビコート タービュヘイラーの形態の商品等表示該当性、混同を否定した不正競争行為差止等請求事件判決 ―

Summary 本件は、医療用医薬品シムビコート®タービュヘイラー®(控訴人商品)の形態と類似した形態の後発医薬品(被控訴人商品)を製造販売している東亜薬品及び日本ジェネリック(被控訴人ら)の行為は不競法2条1項1号の不正競争行為(周知表示混同惹起行為)に該当するなどと主張して、アストラゼネカ(控訴人)が、被控訴人らに対して、被控訴人商品の譲渡等の差止め及び廃棄を求めるとともに、損害賠償金の支払を...
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*Case2023

2023.08.29 「P1 v. 全星薬品工業」 大阪地裁令和2年(ワ)12107 ― 顧問が共同発明者として認められた塩酸アンブロキソール徐放性OD錠職務発明相当対価請求事件 ―

1.はじめに 2015年7月10日に、職務発明制度の見直しを含む「特許法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第55号)が公布され、2016年4月1日に施行された。 この法律改正により、職務発明制度を定めた特許法35条の「相当の対価」の表現が「相当の利益」に変更され、さらに、手続きが適正である限り、使用者と従業者があらかじめ定めた契約などが尊重されることとなった。 特許庁: 職務発明制度の概要(...
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*Case2023

機能的表現抗体クレイムの終焉か ―Amgen事件米国最高裁判決を受けBaxalta社の抗体特許を無効とする判決(Baxalta v. Genentech CAFC 2022-1461)―

2023年9月20日、Genentech社の血友病A治療薬HemlibraⓇ(有効成分は抗factor IXa/X バイスペシフィック抗体であるemicizumab)が米国特許第7,033,590(以下、'590特許)を侵害しているとして、Baxalta社がGenentech社を訴えていた事件1)2)について、米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)は、実施可能要件違反を理由に'590特許は無効である...
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*Case2023

2023.03.24 「東海医科 v. A」 東京地裁令和4年(ワ)5905 ― 体外と体内の狭間、組み合わせの物と方法の狭間、医療と産業の狭間で ―

Summary 本稿は、東京地裁令和4年(ワ)5905 損害賠償請求事件を紹介し、この事件を題材に、「被告行為は、A剤とB剤を別々に投与するものだったとしても、『A剤とB剤を含有する組成物』をクレイムとする本件特許発明に係る特許権を侵害する」との主張に踏み込むための理屈を立てることは可能なのか、本件特許発明がどのようなクレイムであったなら、被告行為が特許権の侵害であると問える可能性を高めることがで...
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*Case2023

2023.07.28 「neo ALA v. 東亜産業」 東京地裁令和4年(ワ)9716(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) - 製品には特許発明に係る化学物質を含むがその純度は低いと主張して発明の技術的範囲の属否を争った事例 -

Summary 「5-アミノレブリン酸リン酸塩」を巡る特許権侵害訴訟で、東京地裁は、neo ALA(原告)の請求を認め、東亜産業(被告)による各製品の製造等の差止め及び廃棄を命じる判決を言い渡した。 本件発明は新規な化学物質の発明であるところ、被告は、「各被告製品は、5-アミノレブリン酸リン酸塩を含んでいるものの、単離されておらず、高純度のものではないから、本件発明を充足しない」と主張した。 しか...
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*Case2023

2023.07.13 「共和薬品工業・日医工 v. 協和キリン」 知財高裁令和4年(行ケ)10064 - イストラデフィリンの結晶発明 溶解性と安定性のトレードオフ(阻害要因)により進歩性が肯定された事例 -

Summary パーキンソン病治療剤ノウリアスト®(一般名:イストラデフィリン)の結晶発明に係る協和キリンの特許第4606326号についての無効請求不成立審決の取消訴訟で、裁判所は、原告ら(共和薬品工業及び日医工)の取消事由(進歩性欠如及びサポート要件違反)は理由がないとして、原告らの請求を棄却する判決を言い渡した。 裁判所は、溶解性と安定性に課題があった化合物1(イストラデフィリン)について、溶...
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*Case2023

2023.04.06 「グリーンクロス v. シャイアー」 知財高裁令和4年(行ケ)10010 - 医薬用途発明の優先権の効果が認められるには?/本件特許はイズロン酸-2-スルファターゼ脳室内投与製剤(ムコ多糖症II型治療剤ヒュンタラーゼ®)の障害となるのか? -

Summary 本件は、シャイアーの特許(第6466538号)に対して、グリーンクロスがした無効請求の不成立審決取消訴訟である。 知財高裁は、基礎出願2には本件発明の効果が実質的に記載されていたとは認められないとして、審決による優先権の判断は誤りであったと判断したものの、それをもって直ちに本件審決を取り消すべきという結論において理由はないと判断した。 さらに、知財高裁は、その他の進歩性の判断の誤り...
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*Case2023

【速報】2023.05.18 「Amgen v. Sanofi」 米国最高裁No. 21–757 - Amgenの抗PCSK9抗体特許 実施可能要件非充足を理由に無効としたCAFC判決を米国最高裁も支持 -

2023年5月18日、米国最高裁判所は、Gorsuch判事による全会一致の意見として、Amgenの抗PCSK9抗体に関する米国特許8,829,165及び8,859,741は実施可能要件(enablement requirement)を満たさないから無効であるとした米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)の判決を支持しました。 May 18 2023 Adjudged to be AFFIRMED. G...
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*Case2023

2023.05.10 「ニプロ v. エーザイ」 知財高裁令和4年(ネ)10093 特許権侵害差止請求権等の不存在確認請求控訴事件(エリブリンメシル酸塩事件) - 法治主義に反する状況? 問われる日本版パテントリンケージ制度 -

>原判決記事 1.はじめに 本判決(知財高裁令和4年(ネ)10093)は、抗悪性腫瘍剤ハラヴェン®(有効成分: エリブリンメシル酸塩)の後発医薬品の承認申請を行ったニプロ(控訴人)が、エーザイ(被控訴人)が有する本件各特許権による差止請求権及び損害賠償請求権の不存在確認、並びに当該医薬品が本件各発明の技術的範囲に属しないことの確認を求めた控訴審判決である。 知財高裁は、ニプロの後発医薬品の製造販売...
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*Case2023

2023.04.19 Amgen v. Sandoz CAFC 2022-1147, 2022-1149, 2022-1150, 2022-1151 乾癬治療薬Otezla®(アプレミラスト)の米国ANDA訴訟 - 公知ラセミ混合物からエナンチオマーの非自明性(進歩性) -

Summary アムジェン社が販売する乾癬治療薬Otezla®(有効成分: アプレミラスト)の米国ANDA訴訟で、2023年4月19日、CAFCは、ラセミ混合物として記載された先行文献からエナンチオマー(立体的に純粋なアプレミラストを含む医薬組成物)の非自明性を認めた米ニュージャージー州連邦地裁の判断を支持した。 CAFCは、当業者であれば立体的に純粋なアプレミラストを含む医薬組成物を作ろうと試み...
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*Case2023

2023.03.22 「東亜産業 v. neo ALA」 知財高裁令和4年(行ケ)10091(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) - 刊行物に新規化学物質の発明が記載されているといえるか(引用発明の適格性)の判断基準 -

Summary 5-アミノレブリン酸リン酸塩(5-ALAホスフェート)に係る特許発明の新規性が争点となった審決取消請求事件で、引用文献には、同物質が記載されているといえるものの、その製造方法に関する記載が見当たらないことから、同物質を引用発明として認定することの可否が問題となった。 知財高裁は、引用文献からは同物質を引用発明として認定することはできないと判断し、本件発明は引用発明に対して新規性を欠...
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*Case2022

2022.12.20 「アストラゼネカ v. 日本ジェネリック・東亜薬品」 東京地裁令和2年(ワ)19198 ― 医療用医薬品シムビコート タービュヘイラーの形態は出所表示機能を有しないとして商品等表示該当性を否定した不正競争行為差止等請求事件判決 ―

1.背景 本件(東京地裁令和2年(ワ)19198)は、気管支喘息用の医療用医薬品である原告商品を製造販売する原告アストラゼネカが、原告商品の形態は商品等表示に当たり、被告東亜薬品が当該商品等表示に類似した形態を商品等表示として使用した後発医薬品である被告商品を製造し、被告日本ジェネリックがこれを販売する行為は、不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当するなどと主張して、被告らに対し、被告商品...
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*Case2023

2023.01.26 「リジェネロン v. アムジェン」 知財高裁令和3年(行ケ)10093 ―「参照抗体と競合する」抗体クレームのサポート要件充足性と発明特定事項の意義―

Summary 抗PCSK9モノクローナル抗体アリロクマブ(alirocumab)を有効成分とするサノフィの高コレステロール血症治療剤プラルエント®を特許権侵害訴訟で販売停止に追い込んだアムジェンの抗体特許に対して、今度はリジェネロンが同特許の無効を求めて再挑戦してきた無効請求不成立審決取消訴訟で、サノフィとの別件訴訟でアムジェン勝訴判決を下してきた知財高裁は、一転、リジェネロンが主張した取消事由...
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*Case2023

2023.01.12 「東和薬品・共和薬品工業・日医工 v. 協和キリン」 令和3年(行ケ)10155, 10157・・・パーキンソン病治療剤ノウリアスト®の医薬用途発明の特許性 引用文献記載は「実証的でない」と判断

Summary パーキンソン病治療剤ノウリアスト®(一般名:イストラデフィリン)の医薬用途発明に係る協和キリンの特許第4376630号についての無効請求不成立審決の取消訴訟で、裁判所は、原告ら(東和薬品、共和薬品工業、日医工)の取消事由(新規性の欠如、進歩性の欠如等)は理由がないとして、原告らの請求を棄却する判決を言い渡した。 その判断は、引用文献(発明者らが共著者であった)の考察の記載は試験結果...
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*Case2022

2022.12.21 「ツールゲン v. 特許庁長官」 知財高裁令和3年(行ケ)10129・・・CRISPR-Cas9ゲノム編集を真核細胞で初実証したというToolGen社の発明の進歩性

Summary 知財高裁は、ToolGen社のCRISPR-Cas9によるゲノム編集に関する発明はCharpentier博士とDoudna博士が2012年のScience誌にて発表したCRISPR-Cas9によるゲノム編集に関する論文によって進歩性を欠くとした拒絶審決を支持する判決を言い渡した。 ToolGen社は、米国において、CRISPR-Cas9によるゲノム編集に関する先発明を争っている。 ...
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*Case2022

2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和4年(ネ)10065・・・エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定(エディロール®後発医薬品に対する特許権侵害差止等請求控訴事件)

Summary 骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの前腕部骨折抑制剤に関する医薬用途発明(特許第5969161号)に係る特許権を保有する中外製薬が、沢井製薬及び日医工がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。 原審は、本件発明はいずれも乙1文献に記載された発明に基づき新規性が欠如し、本件訂正によってもその無効理由は解消さ...
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*Case2022

2022.11.28 「沢井製薬 v. 東レ」 知財高裁令和4年(行ケ)10046; 10048; 10049・・・レミッチ®用途特許延長登録に関する前訴判決拘束力の理解の誤り及び手続上の瑕疵の存在を主張する沢井の審決取消請求を棄却

本件(令和4年(行ケ)10046; 令和4年(行ケ)10048; 令和4年(行ケ)10049)は、東レ(被告)が保有する「止痒剤」に関する特許第3531170号に係る特許権の存続期間延長登録(特願2015-700061; 2017-700309; 2017-700310)に対して沢井製薬(原告)がした無効審判請求(無効2020-800002号事件; 無効2020-800003号事件; 無効2020...
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*Case2022

2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和3年(行ケ)10066・・・「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定

Summary 中外製薬及び大正製薬の「エルデカルシトールを含有する前腕部骨折抑制剤」に関する医薬用途発明に係る特許第5969161号の無効審決取消請求事件。 本件各訂正発明は「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、公知の甲1発明では特定されていなかった本件各訂正発明の各相違点が、甲1発明との実質的な相違点といえるか否か(新規性の判断)が争われた。 知財高裁(第3部)は...
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*Case2022

2022.11.14 「バイオセレンタック v. コスメディ製薬」 知財高裁令和3年(行ケ)10089・・・ヒアルロン酸溶解型マイクロニードル製剤を巡る特許紛争

Summary コスメディ製薬の溶解型マイクロニードル製剤は、生体親和性の高いヒアルロン酸を基材とした微細なニードル(針)が整列したシート状に成形されたもの。皮膚に貼付することで、ニードルが直接皮膚の内部に入り、溶解・浸透する。 バイオセレンタックも、溶解型マイクロニードル等のDDS技術をもとに経皮吸収製剤等の開発を行っており、溶解型マイクロニードル製剤を巡って、同社が保有する特許第4913030...
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*Case2022

2022.09.30 「再生未来 v. 神戸医療産業都市推進機構」 大阪高裁令和4年(ネ)1273 損害賠償請求控訴事件 管轄違いで原判決取消し・・・受託研究成果物?その発明は誰のもの?

Summary 本件は、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(被控訴人)に研究を委託する契約を締結した医療法人再生未来(控訴人)が、被控訴人の研究者により発明された本件発明が本件契約に基づく研究により得られた成果物であることを前提として、当該研究者個人が本件発明を単独で特許出願したことが契約義務違反等に当たる旨主張して、被控訴人に対し、損害賠償金等の支払を求めた事案である。原審(神戸地裁)は控訴人...
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*Case2022

2022.08.30 「ニプロ v. エーザイ」 東京地裁令和3年(ワ)13905 特許権侵害差止請求権及び損害賠償請求権の不存在確認請求事件・・・抗悪性腫瘍剤ハラヴェン®(エリブリン)の後発医薬品申請時点における訴えの利益

Summary 本件は、抗悪性腫瘍剤ハラヴェン®の後発医薬品の承認申請を行ったニプロ(原告)が、エーザイ(被告)が有する本件各特許権による差止請求権及び損害賠償請求権の不存在確認、並びに当該医薬品が本件各発明の技術的範囲に属しないことの確認を求めた事案である。 エーザイは、本案前の主張として、ニプロの各訴えには訴えの利益がないと主張した。 東京地裁(民事第46部)は、ニプロの後発医薬品の製造販売に...
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2022.09.21 「興和 v. 東和薬品」 知財高裁令和4年(ネ)10052 ピタバスタチン製剤の特許権侵害損害賠償等(総額約188億円)請求事件・・・当初差止請求事件から一転、興和敗訴(東和勝訴)となった原因とは

Summary ピタバスタチンを有効成分とする高コレステロール血症治療剤リバロ®の後発医薬品の製造・販売行為がピタバスタチン製剤に関する特許権(特許第5190159号)を侵害するなどと主張して、興和が、東和薬品に対し、損害賠償金等の支払を求めた事件の控訴審。 東和薬品による当該後発医薬品の販売開始(2013年12月)から約9年が経とうとしている。当初の差止請求事件では興和が勝訴しており、その後提起...
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*Case2022

2022.05.27 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 東京地裁令和2年(ワ)13326; 13331 エディロール®用途発明に係る特許権侵害差止等請求事件・・・新規性判断への疑問点

Summary 骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの用途発明に係る特許権を保有する中外製薬(原告)が、沢井製薬及び日医工(被告ら)がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。 本件発明は、「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、本件発明と公知の乙1発明が相違するといえるかが問題となった。 裁判所...
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*Case2022

疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)の後発医薬品の特許権侵害訴訟で控訴審(知財高裁)判決出揃う 全ての「痛み」の用途特許は無効、特許権侵害認めず・・・4つの部で本件訂正が新規事項追加か否かへの向き合い方に違い

発明の名称を「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」とする特許第3693258号に係る特許権者であるワーナー-ランバートが、効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の後発医薬品を販売するなどする行為はいずれも特許権を侵害すると主張し、後発医薬品メーカーらに対し、その後発医薬品の製造、販売等の差止め及び廃棄を求めた特許権侵害差止請求控訴事件。 先発医...
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*Case2022

2022.06.22 「日医工 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和3年(行ケ)10115 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑧

Summary 旭化成ファーマは、週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(テリパラチド酢酸塩)を製造販売している。 本件(知財高裁令和3年(行ケ)10115)は、旭化成ファーマが特許権者でありテリパラチドの週1回投与に関する特許第6198346号に対する無効審判事件(無効2019-800062号)において、請求は成り立たないとの特許庁審決を受けた日医工が、その取消しを求め...
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*Case2022

2022.06.22 「日医工 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和3年(行ケ)10069 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑦

Summary 週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(テリパラチド酢酸塩)を製造販売する旭化成ファーマが特許権者であるPTH週1回投与に関する特許第6522715号に対して日医工が請求した無効審判事件において、請求は成り立たないとの特許庁審決を受け、日医工がその取消しを求めて知財高裁に提起した訴訟。 知財高裁(第4部)は、日医工が主張する取消事由(甲7発明に基づく進歩性...
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*Case2022

2022.06.29 「ワーナー-ランバート v. 大原薬品工業・共創未来ファーマ・三和化学研究所・キョーリンリメディオ・杏林製薬」 知財高裁令和4年(ネ)10015・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)特許権侵害訴訟 控訴審も非侵害の判決

Summary 効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許に係る特許権者(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(大原薬品工業・共創未来ファーマ・三和化学研究所・キョーリンリメディオ・杏林製薬)との間で争われていた、特許権侵害差止請求事件の控訴審。 知財高裁(第2部)は、ワーナー-ランバートの請求を全部棄却した原判決は相当であるとし...
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*Case2022

抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・(6)

>(5)から続く 本庶佑氏及び小野薬品工業が特許権者である抗PD-1抗体等に関する特許(いわゆる「本庶特許」)の共同発明者を巡る米国での裁判で共同発明者として追加が認められたゴードン・フリーマン氏(ダナ・ファーバー癌研究所)が、共同出願違反(特許法38条規定違反)を理由に日本の5件の「本庶特許」の無効を求めていた審判請求事件において、2022年5月27日、特許庁(審判合議体)は、いずれの「本庶特許...
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*Case2022

2022.02.24 「中外製薬 v. 沢井・日医工・日産化学」 東京地裁令和3年(ワ)3816 エディロール®結晶発明に係る延長特許権侵害差止請求事件 -延長登録対象となる発明範囲・延長特許権の効力範囲についての雑感-

Summary 骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの結晶特許に係る延長された特許権を保有する中外製薬が、被告ら(沢井製薬、日医工、日産化学)がその後発医薬品を製造・販売するために本件発明に係る結晶を製造・使用している行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。 日産化学が納品するエルデカルシトールは溶液の状態になっており、エルデカルシトールは結晶状態で存...
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*Case2021

2021.12.23 「ワーナー-ランバート v. 東和薬品」東京地裁令和2年(ワ)19929・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断⑤

Summary 効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告(東和薬品)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。 東京地裁(民事第46部)は、 全ての「痛み」に関する本件発明1及び2に係る特許は、サポート要件違反により無効である 本件発明1及び2を「痛覚過敏又は...
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