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アリセプト®の特許権存続期間延長登録

2007.09.27 「スリーエム(3M) v. 特許庁長官」 知財高裁平成19年(行ケ)10017の記事で寄せられたコメントに関してのメモです。コメントありがとうございました。

エーザイはアリセプト®の承認に基づいて有効成分をカバーする化合物特許権(特許番号: 2578475)について下記の存続期間延長登録をした。

延長登録出願番号: 平11-700114

  • 延長登録の年月日: 平13.12.19
  • 延長の期間: 2年11月17日
  • 承認番号: 21100AMZ00662000号
  • 処分の対象となった物: 塩酸ドネペジル
  • 処分の対象となった物について特定された用途: 軽度及び中等度のアルツハイマー型痴呆における痴呆症状の進行抑制

延長登録出願番号: 平11-700113

  • 承認番号: 21100AMZ00661000号
  • 処分の対象となった物: 塩酸ドネペジル
  • 処分の対象となった物について特定された用途: 医薬品の製剤原料

その後、エーザイはアリセプト®について国内における高度アルツハイマー型認知症の新効能・新用量追加の承認(2007.08.23 プレスリリース)に基づいて、アリセプト®をカバーする特許権(ひとつは有効成分をカバーする化合物特許、もうひとつはD錠をカバーする製剤特許)の存続期間延長登録出願をし、下記のとおり登録させることに成功した。注目すべきは、化合物に関する特許権を2度延長登録させている点と、先の処分と本件処分の用途の異同の判断である。

延長登録出願番号: 2007-700112

  • 延長登録の年月日: 平20.5.19
  • 特許番号: 2578475
  • 延長の期間: 5年
  • 承認番号: 21100AMZ00663000号(錠5mg)
  • 処分の対象となった物: 塩酸ドネペジル
  • 処分の対象となった物について特定された用途: アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制(但し、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症状症の進行抑制を除く。)

他、下記の延長登録出願も同様に登録。

  • 延長登録出願番号: 2007-700116(承認番号 21900AMX01198000号)(D錠10mg)
  • 延長登録出願番号: 2007-700113(承認番号 21900AMX01197000号)(錠10mg)
  • 延長登録出願番号: 2007-700117(承認番号 21300AMZ00373000号)(細粒0.5%)
  • 延長登録出願番号: 2007-700114(承認番号 21600AMZ00405000号)(D錠3mg)
  • 延長登録出願番号: 2007-700111(承認番号 21100AMZ00662000号)(錠3mg)
  • 延長登録出願番号: 2007-700115(承認番号 21600AMZ00406000号)(D錠5mg)

延長登録出願番号: 2007-700119

  • 延長登録の年月日: 平20.5.19
  • 特許番号: 3770518
  • 延長の期間: 1年6月5日
  • 承認番号: 21600AMZ00406000号(D錠5mg)
  • 処分の対象となった物: 塩酸ドネペジル
  • 処分の対象となった物について特定された用途: アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制(但し、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症状症の進行抑制を除く。)

他、下記の延長登録出願も同様に登録。

  • 延長登録出願番号: 2007-700118(承認番号 21600AMZ00405000号)(D錠3mg)
  • 延長登録出願番号: 2007-700120(承認番号 21900AMX01198000号)(D錠10mg)

コメント

  1. 匿名 より:

    個人的には、アリセプトの件よりクラビットの特許延長の有効性により関心があります。
    私自身、これまで抗菌薬や抗生物質で漫然と特許期間延長登録出願をしてきましたが、疾患名は不変で、気炎菌のみの追加に過ぎない”効能追加”は「新たな処分に係る医薬品の適用対象がその病態等に照らして実質的に異なる疾患と認められ」るとも,「当該治療法における医薬品の薬理作用が先の処分とは異なる」(知財高裁の指針)とも思えないのです。こんな風に感じる自分って変ですかネ。

  2. Fubuki より:

    コメントありがとうございます。
    ご存じかもしれませんが、この延長登録は現在無効審判で争われています。
    結論を待ちたいと思いますが、やはり疑義があるということなのでしょう。

    関連記事:
    2008/02/03
    Levofloxacin – Thirteen generic companies file request for invalidation of Daiichi’s patent term extention.

  3. 匿名 より:

    私としては、特願2004-205012が拒絶査定された後に、出されている特許が気になります。これについては、何か情報御座いませんか?

  4. Fubuki より:

    としくんさん
    コメントありがとうございます。
    「出されている特許」とは具体的にどの特許のことでしょうか?それともアリセプトをカバーするすべての特許という意味でしょうか?どのようなことを気になさっているのか、どのような情報をお知りになりたいのかコメントいただけますでしょうか?

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