2009年4月3日、知的財産戦略本部の先端医療特許検討委員会(第6回)にて、先端医療分野における特許保護の現状と課題の論点整理が行われました。
特に、用法・用量に特徴のある医薬関連発明の特許保護について議論されました。
首相官邸 知的財産戦略本部 知的財産による競争力強化専門調査会の先端医療特許検討委員会(第6回)の資料。
用法・用量等に特徴のある発明についての論点は下記のとおり。
①国民一般の生活水準の向上や公衆衛生・医療水準の向上に伴い、患者や医師からは、効能・効果が同じであっても、より副作用や身体への負担が少なく、快適な生活の継続に支障とならない医薬の開発が一層求められているのではないか。
②専門家の予測を超える効果を示す新用法・用量の医薬の発明を特許対象とし企業に開発インセンティブを付与することにより、このような医薬の開発が促進されるのではないか。それとも、このような医薬は特許がなくても盛んに開発されるのか。
③新用法・用量に関する研究開発が世界的に見て活発化していった場合に、我が国において新用法・用量のみに特徴がある医薬を特許保護していないことが当該医薬の我が国市場への投入の阻害要因となるおそれはないか。
④新用法・用量の医薬を特許対象とした場合、患者が負担する医療費に影響を及ぼすのか。
⑤専門家の予測を超える効果を示す新用法・用量の医薬の発明を特許対象とする場合、医薬における用法・用量の一体性等に照らし、「物」の発明として保護すべきではないか。また、「方法」の発明として保護することは、患者が使用する発明となるので産業上利用することができる発明とは認めがたい等の問題があり、困難ではないか。
⑥専門家の予測を超える効果を示す新用法・用量の医薬を「物」として特許対象とした場合、医師の処方は特許権の侵害とならず、医師の裁量、患者の選択等に負の影響を及ぼすことにならないのではないか。この場合、現行の用途発明と同様に、医療のフリーアクセス等の現行の医療制度には負の影響を及ぼさないのではないか。
①から④の答えは自明のことでもはや議論してもあまり意味のないことでしょう。⑤及び⑥についてもっと議論を深めるべきと思いますが・・・。次回は2009年4月24日開催。
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