スポンサーリンク

2012.10.05 「サノフィ アレグラ®後発医薬品に対する侵害訴訟提起」

サノフィのプレスリリースによると、同社は、アレルギー性疾患治療剤「アレグラ®」(一般名:フェキソフェナジン塩酸塩; Fexofenadine Hydrochloride)の後発医薬品について、本年8月15日に製造販売承認を取得したエルメッドエーザイ、小林化工、大正薬品工業の3社に対し、10月5日、特許第3041954号及び特許第3037697号の専用実施権に基づき、侵害差止を求める訴訟を東京地方裁判所に提起したとのことです。

一方、エルメッドエーザイのプレスリリースによると、同社は、2012年9月19日付けで両特許の無効審判の請求をしたとのことです。

参考:

ところで、過去の報道によれば、同特許の有効・無効を争っていたサノフィと沢井製薬及び高田製薬との間では和解が成立(2012年7月)したとのこと。沢井製薬及び高田製薬による無効審判請求は取り下げられました。

参考:

2012年2月15日に、日医工サノフィ・アベンティス株式会社が、すでに後発品(いわゆるオーソライズドジェネリック(AG))の承認を受けたり、2012年7月2日に、サノフィ・アベンティスが、スイッチOTC(アレグラFX、アレグラα、アレグラフレッシュ、アレグラファイン)として一般用医薬品の承認を受けたりしていますが、沢井製薬及び高田薬品との争いも和解となったためか、まだいずれも発売はされていないようです。今後の上記3社との侵害訴訟の成り行き次第ということになるのかもしれません。

参考:

コメント

  1. Fubuki Fubuki より:

    本事件の顛末については以下の論文に詳しく分析されている。
    パテント71(10) p54-65 (2018): 「日本のパテントリンケージの運用実態について」(平成29年度バイオ・ライフサイエンス委員会第5部会)
    https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3066
    「物質特許及び用途特許が存在し,かつ当該特許の有効性が否定されていないにもかかわらず,特許存続中にジェネリック医薬品の薬事承認がなされたことは驚きである。」

    その他関連:
    日本のパテントリンケージの現状の課題とその解決に向けた提案
    https://www.tokkyoteki.com/2021/03/patent-linkage-system-in-japan.html

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました