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2022.12.20 「アストラゼネカ v. 日本ジェネリック・東亜薬品」 東京地裁令和2年(ワ)19198 ― 医療用医薬品シムビコート タービュヘイラーの形態は出所表示機能を有しないとして商品等表示該当性を否定した不正競争行為差止等請求事件判決 ―

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1.背景

本件(東京地裁令和2年(ワ)19198)は、気管支喘息用の医療用医薬品である原告商品を製造販売する原告アストラゼネカが、原告商品の形態は商品等表示に当たり、被告東亜薬品が当該商品等表示に類似した形態を商品等表示として使用した後発医薬品である被告商品を製造し、被告日本ジェネリックがこれを販売する行為は、不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当するなどと主張して、被告らに対し、被告商品の譲渡等の差止め及び廃棄を求めるとともに、損害賠償金の支払を求めた事案である。

不競法2条1項1号には、不正競争行為に該当する類型として、いわゆる「周知表示混同惹起行為」を挙げている。

第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

一 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

原告商品は、販売名を「シムビコートタービュヘイラー30吸入」及び「シムビコートタービュヘイラー60吸入」とする医療用医薬品である。抗炎症作用を有するグルココルチコイドであるブデソニド(Budesonide)及びβ2受容体刺激薬ホルモテロールフマル酸塩水和物(Formoterol Fumarate Hydrate)を有効成分とする気管支喘息治療用の吸入薬「シムビコート®」であり、ドライパウダー吸入器 (タービュヘイラー®) を用いる。

シムビコート®(Symbicort®)は、日本では、2009年10月16日に製造販売承認を受け、2010年1月13日に販売が開始された。気管支喘息の治療薬として120ヵ国以上、COPDの治療薬として105ヵ国以上で承認されており(2020年9月時点)、2022年のグローバル売上収益は$2,538mに達している(AstraZeneca Annual Report and Form 20-F Information 2022)。

また、「シムビコート®タービュヘイラー®」は、財団法人日本産業デザイン振興会主催の「2010年度グッドデザイン賞(Gマーク)」を受賞している。アストラゼネカ社は、『喘息患者さんが毎日服用する状況を観察、調査、研究し、患者さんの使い勝手を第一に考え、様々な箇所に工夫が施されており、幅広い年齢層の患者さんに適合したシンプルで優しいデザインである』と、患者さんの使用感の良さが高く評価され、受賞に至ったと伝えている。

これらのことから、原告商品は、そのデザインも含めて、アストラゼネカにとって重要な製品であることがわかる。

他方、被告商品は、販売名を「ブデホル吸入粉末剤30吸入「JG」」及び販売名を「ブデホル吸入粉末剤60吸入「JG」」とする医療用医薬品であって、原告商品の後発医薬品である。2019年2月に被告日本ジェネリックが製造販売承認を受け、同年6月の後発医薬品薬価基準追補収載を見送ったが(参考: 薬事日報記事)、同年12月に収載、販売を開始した(被告商品1)。そして、2020年5月頃、被告商品1の形状を変更した被告商品2の販売を開始した。

問題となった原告商品及び被告商品の代表写真を以下に示す(判決文(別紙)被告商品写真目録2及び(別紙)原告商品写真目録より)。

原告商品の配合剤に関する特許(第3342484号)、原告商品の製剤に関する特許(第4512204号)、原告商品に係る吸入器の形態に関しては、物品を「吸入器」とする意匠登録(第1068084号)及び2件の類似意匠登録が存在していたが、被告製品が製造販売承認を受けた2019年2月には、いずれの知的財産権も既に存続期間が満了していた。

つまり、被告らは、原告アストラゼネカのこれら特許権及び意匠権という知的財産権を侵害しているわけではない。

それでも、原告アストラゼネカは、被告ら行為は不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当すると主張して、被告商品の譲渡等の差止め等を求めたのが本事案である。

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2.裁判所の判断

裁判所(東京地方裁判所民事第40部)は、商品の形態は、①特別顕著性を有しており、かつ、②周知性があると認められる特段の事情がない限り、不競法2条1項1号にいう商品等表示に該当しないと解するのが相当であり、そして、同号の趣旨目的に鑑みると、商品の形態が取引の際に出所表示機能を有するものではないと認められる場合には、そもそも商品等表示に該当しないと解するのが相当であるとしたうえで、本件については、

  • 取引の実情を踏まえると、原告商品の形態は、取引の際に出所表示機能を有するものではなく、商品等表示に該当しないと解するのが相当である
  • 仮に、原告商品の形態が商品等表示に該当するという見解に立ったとしても、被告商品の形態自体が、原告商品と混同を生じさせるものではないことは、明らかである

と判断し、被告が被告商品を製造又は販売する行為は、不競法2条1項1号の不正競争行為に該当するものと認めることはできないとして、原告アストラゼネカの請求を棄却した。

以下、裁判所の判断を一部抜粋して紹介する。

(1)不競法の適用の可否(争点1)

被告らは、

「①被告商品は、原告商品の後発薬として厚生労働省の承認を受けたものである以上、被告商品と原告商品の吸入器の形態が共通性を有することは、ある意味必然であることや、②被告商品は、原告商品に係る特許権の保護期間の終了後に、ジェネリック医薬品として厚生労働省の製造販売承認を取得して適法に上市されたものであるところ、本件訴訟の実質は、後発薬の参入を阻害するために、不正競争の名の下に、既に期間満了した知的財産権による保護期間の永続的な延長を求めるものであり、公正な競争を確保するという不競法の目的から逸脱するものであることを根拠に、本件においては、不競法を適用する余地がない」

と主張した。

しかし、裁判所は、

「現行法上、物の無体物としての面の利用に関しては、特許法、意匠法、著作権法、商標法、不競法等の知的財産権関係の各法律が、それぞれの知的財産権又は法的利益の発生原因、内容、範囲、消滅原因等を定め、その範囲、限界を明確にしているのであるから、被告ら主張に係る上記特許権に関する事情をもって直ちに不競法そのものの適用を否定するのは相当ではな」(い)

として、被告らの主張は、採用することができないと判断した。

(2)原告商品の形態の商品等表示該当性及び混同のおそれ(争点2及び4)

ア 商品等表示該当性及び混同のおそれ

裁判所は、

「ア 不競法2条1項1号は、他人の周知な商品等表示と同一又は類似の商品等表示を使用等することをもって、不正競争に該当する旨規定している。この規定は、周知な商品等表示の有する出所表示機能を保護するという観点から、周知な商品等表示に化体された他人の営業上の信用を自己のものと誤認混同させて顧客を獲得する行為を防止し、事業者間の公正な競争等を確保するものと解される。そして、商品の形態は、特定の出所を表示する二次的意味を有する場合があるものの、商標等とは異なり、本来的には商品の出所表示機能を有するものではないから、上記規定の趣旨に鑑みると、その形態が商標等と同程度に不競法による保護に値する出所表示機能を発揮するような特段の事情がない限り、商品等表示には該当しないというべきである。そうすると、商品の形態は、①客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴(以下「特別顕著性」という。)を有しており、かつ、②特定の事業者によって長期間にわたり独占的に利用され、又は短期間であっても極めて強力な宣伝広告がされるなど、その形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知(以下「周知性」という。)であると認められる特段の事情がない限り、不競法2条1項1号にいう商品等表示に該当しないと解するのが相当である。

そして、周知な商品等表示に化体された他人の営業上の信用を自己のものと誤認混同させて顧客を獲得する行為を防止するという同号の上記趣旨目的に鑑みると、商品の形態が、取引の際に出所表示機能を有するものではないと認められる場合には、特定の出所を表示するものとして特別顕著性又は周知性があるとはいえず、商品等表示に該当しないと解するのが相当である。

との規範を定立した。

裁判所は、これを本件について当てはめ、以下のとおり判断した。

「上記認定事実によれば、医師、薬剤師とも、有効成分、銘柄名、先発薬又は後発薬の区分を明確に認識した上で、医師にあっては、処方する医療医薬品を処方箋に記載し、薬剤師にあっては、医師からの当該処方に基づき医療医薬品を調剤していることが認められ、また、患者は、調剤薬局において、一般に先発薬と後発薬のいずれを希望するのか述べるにとどまり、それ以上に、医療医薬品の形態そのものを見比べるなどして医療医薬品を当該形態自体によって選択することはないことが認められる。

これらの事情の下においては、原告商品の需要者である医師及び薬剤師は、医療医薬品を選択するに当たり、原告商品の形態によってその出所を識別するものではなく、仮に患者も原告商品の需要者であるとしても、上記認定は同様に当てはまるものといえる。

このような取引の実情を踏まえると、原告商品の形態は、一定程度周知性があるとしても、取引の際に出所表示機能を有するものではなく、商品等表示に該当しないと解するのが相当である。

仮に、原告商品の形態が商品等表示に該当するという見解に立ったとしても、上記認定事実によれば、原告商品の需要者である医師や薬剤師は、患者の生命身体の安全に関わるものとして細心の注意力をもって、有効成分、銘柄名、先発薬又は後発薬の区分を明確に認識した上、医療用医薬品の処方や調剤をするのであり、患者も薬剤師の指示説明を十分踏まえて医療医薬品を選択していることからすると、被告商品の形態自体が、原告商品と混同を生じさせるものではないことは、明らかである。

したがって、被告が被告商品を製造又は販売する行為は、不競法2条1項1号の不正競争行為に該当するものと認めることはできない。」

イ 原告の主張に対する判断

原告アストラゼネカは、実際に、平成22年から令和3年までの間に、外観、外形、形状又は形態の類似に伴う事故が50件以上も発生している旨主張し、裏付ける証拠として陳述書を提出した。

しかし、裁判所は、

「同陳述書は、医師や薬剤師が一般に求められる注意力を欠いたため、薬剤の取り違えが生じたという、いわゆる「ヒヤリ・ハット事例」を指摘するものと認められる。

他方、不競法2条1項1号にいう混同とは、需要者において一般に払われる注意力の下で判断されるべきところ、専門家である医師及び薬剤師は、患者の生命身体の安全に関わるものとして細心の注意力をもって医療医薬品を選別することが要求されていることは、上記において説示したとおりである。

そうすると、原告の主張は、上記にいう一般の需要者を前提とするものとはいえず、その前提を欠く。したがって、原告の主張は、採用することはできない。」

と判断した。

また、原告アストラゼネカは、本件アンケート調査の結果によれば、実際に、原告商品と被告商品との間に何らかの関連性があると回答した者の割合が一定以上であったとして、混同のおそれがある旨主張した。

しかし、裁判所は、

「本件アンケート調査は、医療用医薬品に係る取引の実情を考慮することなく、単純に、原告商品と被告商品の形態(ラベルを剥がした状態)を比較したものであるから、必ずしも取引の際における需要者の医療用医薬品に関する識別又は選択の実情を示すものとはいえない。そうすると、原告の主張を踏まえても、上記判断を左右するに至らない。したがって、原告の主張は、採用することができない。」

と判断した。

ウ 特別顕著性

裁判所は、「上記において説示したところによれば、その余の点につき判断するまでもなく、被告が被告商品を製造又は販売する行為は、不競法2条1項1号の不正競争行為に該当するものと認めることはできない。」としたうえで、念のため、商品等表示該当性を肯定するための特別顕著性の要件についても検討し、以下のとおり、原告商品の形態には特別顕著性があるものと認めることはできないと判断した。

「・・・前記認定事実によれば、①ICS/LABA製剤の市場においては、原告商品及び被告商品以外には、マウスピース型の吸入器は存在しないものの、ICS製剤の市場についてみると、リップスティック型の吸入器であるアズマネックスが存在する・・・。

判決文より

アズマネックスは、①原告商品の保管時形態において特徴があると原告が指摘する形状について、その全てを備えているとともに、②原告商品の使用時形態において特徴があると原告が指摘する形状についても、その大半を備えており、その共通する形態は、いずれもごくありふれたものと認められる。したがって、原告商品は、保管時形態及び使用時形態のいずれにおいても、客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有するものということはできない。」

※ICS/LABA製剤とは、吸入ステロイド薬(Inhaled CorticoSteroid;ICS)と長時間作用性β2刺激薬(Long-Acting Beta 2 Agonist;LABA)との合剤のこと。

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3.コメント

今回の裁判所の判決は、医療用医薬品の特有の取引事情を踏まえて、原告商品の形態が出所表示機能を有するものであるか否か、そして被告商品の形態が原告商品と混同を生じさせるものであるか否かといった点を中心に、不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当するか否かを判断したものである。

具体的には、裁判所は、原告商品の形態が医療用医薬品の取引事情において出所表示機能を有するものではないと判断し、また、被告商品の形態が原告商品と混同を生じさせないと判断した。

この判断において、出所表示機能を有するものではないと判断された理由や、混同を生じさせないと判断された理由が、医療用医薬品の取引事情のどのような点に基づくものだったのかについて、注目する必要がある。

医療用医薬品については、需要者は医師・薬剤師であり、医療用医薬品の安全使用のために医薬品の有効成分、銘柄名、先発薬又は後発薬の区分を明確に認識することによって識別を行わなければならない業務手順等の遵守義務があるところ、医療用医薬品の形態自体によって識別することはない、すなわち形態自体に出所表示機能があってはならない、という、他の産業とは異なる特殊な取引事情に基づいて、裁判所は本件を判断したといえる。

医療用医薬品の商品等表示該当性(不競法2条1項1号)を争点とした事件は稀であるが、例えば、セルベックスカプセル(有効成分: テプレノン)のカプセル及びPTPシートにつきなした表示(配色)に関して争われた事件(2006.09.27 「エーザイ v. 東和薬品」 知財高裁平成18年(ネ)10011等)(以下、「セルベックスカプセル・PTPシート事件」)があり、その事件での知財高裁の説示は参考になる。

2006.09.27 「エーザイ v. 東和薬品」 知財高裁平成18年(ネ)10011
カプセル及びPTPシートの外観は商品等表示?: 知財高裁平成18年(ネ)10011 (原審: 2006.01.18 東京地裁平成17年(ワ)5651 標章目録) 【背景】 被控訴人販売のジェネリック医薬品のカプセル及びPTPシートの色彩構成が、エーザイ(控訴人)販売の先発医薬品(胃炎・胃潰瘍治療剤「セルベックスカプセル50mg」、有効成分はテプレノン(teprenone))と類似しているため、不競...

例えば、セルベックスカプセル・PTPシート事件で、知財高裁は、患者が需要者に該当するかどうかについて以下のように説示している。

「患者は,医師が処方した医療用医薬品について,その処方を受けるか拒否するかの最終決定をなしうるのであるから,患者も医療用医薬品について不正競争防止法2条1項1号にいう「需要者」に含まれるというべきである(原判決は,その27頁6行以下で,患者は「需要者」に含まれないとするが,失当である。)。しかし,医師の処方により患者が服用する医療用医薬品は,通常は,患者からの委任を受けて,医師が,患者を診察して病名を診断し,かかる診断に基づいて治療方針を決定し,患者の現在の病態と薬の効能や副作用等を総合的に勘案してその種類,量等を決定し,その後医師からの処方を受けた薬剤師が,医師の指示どおり又は指示の範囲内での選択により,具体的な医薬品を調剤し,訪れた患者に交付するのが,一般的実情であるから,同号にいう主たる「需要者」は医師又は薬剤師であり,患者は従たる「需要者」の立場にあると解すべきである。」

また、セルベックスカプセル・PTPシート事件で、知財高裁は、医療用医薬品の外観の商品等表示該当性について以下のように説示している。

「医療用医薬品は,控訴人自身が控訴理由書(4頁)において主張するように,製薬会社によって製造された後,卸と呼ばれる代理店に販売され,さらに卸は医療機関及び薬局に販売し,医療機関及び薬局は,医師が作成する処方箋に基づいて,医療用医薬品を患者に処方・交付する,というものである。しかるに,医師や薬剤師等は,専門家として,副作用等の安全管理情報とも照らし合わせる見地から,第一次的な商品表示である商品名や会社名をまずもって確認しないとは考えられないし,患者への説明の必要の有無や薬価の差という見地からも,先発品か後発品かを確認すると考えられ,その際に,外観が同じだからという理由で後発品を先発品と取り違えて購入する医師や薬剤師等が存在するとは想定しがたい。医者や薬剤師等が,医療用医薬品を色彩やデザイン等の外観で把握することが全くないということはできないが,医療用医薬品の性質上,それはあくまで補助的なものであると解さなければならない。

以上のとおり、セルベックスカプセル・PTPシート事件(知財高裁)及び本事件(東京地裁)の両判決によれば、原則として、医療用医薬品の形態自体は、出所表示機能を有するものとはいえず、不競法2条1項1号の「商品等表示」に該当しないといえるだろう。

コメント

  1. 匿名 より:

    控訴判決も出ていたようです
    https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/524/092524_hanrei.pdf

    ほかの記事で記載済みでしたら申し訳ありません

  2. 匿名 より:

    控訴判決は,先の意匠権の存在に基づき,
    「知的財産権の存在により独占状態が生じ,これに伴って周知性が生じるのはある意味では当然のことであり,このような独占状態に基づいて控訴人商品の形態について一定の周知性が生じたとしても,このような周知性だけを根拠に不競法の適用を認めることは,結局,上記知的財産権の存続期間満了後も,第三者によるその利用を妨げることに等しい」
    ので,意匠権存続期間中の周知性の発生を否定しているようですが,違和感があります.

    意匠権の美観と不競法2条1項1号の商標的な周知性とは,購入主体と需要者が重なるとしても,形態の美観と形態の周知性が重なるとしても,異なるものであり,前提としては,意匠権の権利期間中にも原則的に独立に形態の周知性の積み重ねは発生するとすべきであり,例外として個別事情を述べるべきではないのでしょうか・・・

    判決には一応の但し書はありますが,不十分に思えます.
    このあたりご意見をお聞きしたいところであります.

    不勉強で申し訳ないのですが,例えば,先の意匠権の存在により後の商標の認定に影響があるなどは,一般常識だったりするのでしょうか.

    • Fubuki Fubuki より:

      コメントありがとうございます。控訴審判決、私も、他の知的財産権の存在による影響を踏まえた「周知性」の有無の考え方に違和感を持ちました。この点について私も知識不足ですので、通常の考え方なのかどうか・・・疑問です。判決の結論には同意なのですが。

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