共同出願違反で無効: 知財高裁平成26年(行ケ)10206
原告(和氣技術研究所)が保有する「袋入り抗菌剤」に関する特許(5172002号)について被告(新光)が無効審判を請求した。発明特定事項hを有する本件発明はいずれもBが発明の完成に貢献したものであり、AとBの共同発明に該当するにもかかわらず、本件特許出願はAの単独名義でされたものであるから共同出願(特許法38条)違反であるとして本件特許は無効とすべきとした審決(無効2013-800078)の取消訴訟。
裁判所は、審決がBを本件発明の共同発明者として認定した点に誤りはなく、原告の取消事由の主張には理由がないから、審決にはこれを取り消すべき違法はないものと判断した。
Aは製品販売代理店候補の一社として被告の代表者Bを紹介された後、BはAの事務所に出入りするようになり、Bに対してAは製品の問題点、改良品の製造を考えていること等を話した。それ以降Bはアイデアや設計図を提案することとなったわけである。
発明の帰属に関する取り決めもしていなかったようである。他者と共同で何らかの事業を進めていくに当たり、発明の帰属をしっかり整理せずに、出願してしまい問題となってしまった典型的な例といえる。
参考: エンブロイ(株) webpage
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