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2016.07.28 「X v. 興和・興和創薬」 知財高裁平成28年(ネ)10023

特許発明の技術的範囲を明細書記載から限定解釈: 知財高裁平成28年(ネ)10023

「メニエール病治療薬」に関する特許権(第4778108号)を有する控訴人(X)が、被控訴人ら(興和及び興和創薬)による被控訴人製品イソバイドシロップ(有効成分: イソソルビド(Isosorbide))の製造販売が上記特許権の侵害に当たると主張して、被控訴人製品製造等差止め及び損害賠償を求めた事案。

原審(2016.01.28 「X v. 興和・興和創薬」 東京地裁平成26年(ワ)25013)は、被控訴人製品は本件発明の構成要件A(「成人1日あたり0.15~0.75g/kg体重のイソソルビトールを経口投与されるように用いられる」というもの)を充足するとはいえないとして、請求棄却したため、控訴人が控訴した。

知財高裁も、被控訴人製品が本件発明の構成要件Aに規定する用途に使用するために製造販売されたものと認めることはできず、当該製造販売行為は本件発明における特許法2条3項にいう「実施」に該当しないから、控訴人の損害金の支払請求は理由がないものと判断した。

控訴棄却。

参考:

コメント

  1. Fubuki Fubuki より:

    【メモ】
    田村善之「際物(キワモノ)発明に関する特許権の行使に対する規律のあり方 ― 創作物アプローチ vs. パブリック・ドメイン・アプローチ ―」 パテント Vol.72 No. 12(別冊No.22), 2019
    https://system.jpaa.or.jp/patent/viewPdf/3399
    「漸進的なイノヴェイションを促進する必要性があることが否めない場合には,権利の成立を認めることが望ましいことがあるが,その場合には,際物発明であるがゆえに,権利行使の場面でパブリック・ドメインとの境界線を如何に規律するか・・・」

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