中外製薬のニュースリリースによると、臨床開発中の血友病Aに対する新薬候補物質「emicizumab」(開発コード:ACE910)がバクスアルタ社保有の米国特許第7,033,590号に触れるとし、米国における上記emicizumabの製造、使用、譲渡の申出、譲渡、輸入の差止め等を求める訴えが中外製薬および米国ジェネンテック社に対して米国デラウェア州連邦地方裁判所において提起されたとのことです。
バクスアルタ社は、米国内でのemicizumab製造、販売および輸入等がバクスアルタ社の米国特許を侵害すると主張しているようですが、中外製薬は、emicizumabがバクスアルタ社の特許を侵害しないものと確信しており、当該特許の非侵害及び無効の主張、その他適切な反論を行っていく方針であるとのことです。
米国特許第7,033,590号のclaim 1:
1. An isolated antibody or antibody fragment thereof that binds Factor IX or Factor IXa and increases the procoagulant activity of Factor IXa.
Emicizumab(開発コード:ACE910):
中外製薬にて創製された抗factor IXa/X バイスペシフィック抗体(注射剤)であり、血友病Aを予定適応症として、現在、第III相(国際共同治験)の段階。
ちょうど昨年の今日、日本での行為に対して訴訟が提起されたというニュース(バクスアルタ社が国内臨床試験中emicizumabの製造・使用を特許侵害にあたるとして中外製薬を提訴)がありました。
参考:
- 中外製薬 press release: 2017.05.11 「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」
- バクスアルタ社が国内臨床試験中emicizumabの製造・使用を特許侵害にあたるとして中外製薬を提訴
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