2018年2月14日付の大日本住友製薬のプレスリリースによると、大日本住友製薬は、FDAに非定型抗精神病薬「LATUDA®」(一般名:ルラシドン塩酸塩)の後発品申請(ANDA)を行ったEmcure社およびAmneal社に対し、大日本住友製薬が保有する用途特許(米国特許番号:9,815,827、2017年11月に成立)の侵害を理由として、2018年2月13日、米国子会社サノビオン社と共同で、米国ニュージャージー州連邦地裁および米国デラウェア州連邦地裁にそれぞれ特許侵害訴訟を提起したとのことです。なお、本訴訟は、LATUDA®の用途特許に基づく特許侵害訴訟であり、大日本住友製薬が保有する物質特許に基づき2015年1月に提起した特許侵害訴訟(2015年1月15日公表「大日本住友 LATUDA® ANDA訴訟提起」参照)とは異なる特許侵害訴訟であり、並行して訴訟手続は追行されるとのことです。
2018年2月14日付の大日本住友製薬の記者懇談会・社長会見資料によると、本件による大日本住友製薬の2017年度の連結業績への影響は軽微であり、2018年度以降の業績影響は現在精査中とのことです。2016年5月12日付 2015年度(平成28年3月期)決算説明会資料においては、下記のとおり、北米でのラツーダの特許切れにより、2019年度の業績は落ち込むとの見通しでした。
LATUDA®は、大日本住友製薬が創製した非定型抗精神病薬。米国では、2010年10月に成人における統合失調症治療薬として承認され、2011年2月より「LATUDA®」の販売名でサノビオン社が販売。米国においては、大日本住友製薬はサノビオン社に対して本特許の独占的実施権を許諾しています。
参考:
- 2018.02.14 大日本住友製薬 press release: 「米国における非定型抗精神病薬「LATUDA」の後発品申請に対する特許侵害訴訟の提起のお知らせ」
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