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塩野義がアイセントレス®錠を巡るMSDとの特許侵害訴訟で敗訴

2018年9月7日付塩野義製薬のプレスリリース「MSD社とのHIVインテグラーゼ阻害薬に関する知財高裁での係争について」によると、塩野義製薬が日本において保有するHIVインテグラーゼ阻害薬に関する特許(特許第5207392号)につき、2018年9月4日、知財高裁が塩野義製薬の特許無効審決取消訴訟及び特許侵害訴訟の控訴を棄却する旨の判決を出したとのことです。塩野義製薬は、今回の判決内容を精査し、引き続き、今後の対応を検討していくとのことです。

これまでの経緯:

  • 2015年8月17日、塩野義製薬は、HIVインテグラーゼ阻害薬に関する特許(特許第5207392号)について、アイセントレス®錠(有効成分はラルテグラビルカリウム(raltegravir potassium)、HIVインテグラーゼ阻害剤)を日本で販売するMSD社に対し、アイセントレス®錠は当該特許発明の技術的範囲に属すると主張して、アイセントレス®錠の譲渡等の差止・廃棄の請求とともに損害賠償又は不当利得返還を請求する特許権侵害訴訟を東京地裁に提起した(塩野義がアイセントレスを販売するMSDに対して特許侵害訴訟を提起)。
  • これに対して同年12月17日、MSD社が当該特許につき特許無効審判を請求した(無効2015-800226)。
  • 2017年8月17日、特許無効審判において、特許が無効である旨の審決が出されたため、同年9月8日、塩野義製薬は、知財高裁に、当該審決の審決取消訴訟を提起した(平成29年(行ケ)10172)。
  • 一方、同年12月6日、特許権侵害訴訟において、東京地裁は、当該特許発明は実施可能要件違反およびサポート要件違反により無効にされるべきものであると判断し、塩野義製薬の請求を棄却する旨の判決を出した(2017.12.06 「塩野義 v. MSD」 東京地裁平成27年(ワ)23087)。
  • 同年12月19日、塩野義製薬は、知財高裁に、当該判決に対する控訴を行った。

参考:

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