2022年9月26日のアステラス製薬のプレスリリース(「心機能検査補助剤「Lexiscan®(レキスキャン)」 仮差し止め請求に関する米国デラウェア州連邦地方裁判所の決定について」)によると、アステラス製薬が米国で販売している心機能検査補助剤Lexiscan®(レキスキャン、活性成分: regadenoson)の後発品に対する特許権侵害訴訟に関連して、米国デラウェア州連邦地方裁判所は、Hospira社による後発品発売を停止するための仮差し止め命令を決定しましたが、その停止期間は2022年10月5日までであって、アステラス製薬が連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)に上訴している期間までは認められなかったとのことです。
この決定を受けて、アステラス製薬は、CAFCに対して、上訴についての判決が下るまでの後発品販売停止を求める仮差し止め請求を行う予定とのことです。
なお、この特許権侵害訴訟は、Hospira社が、Lexiscan®に関する特許(米国特許番号:8,106,183、8,524,883、RE47301)が満了する前にその後発品の販売承認を求める簡略新薬申請(Abbreviated New Drug Applications: ANDA)(ANDA No. 214349)を、2020年4月、米国食品医薬品局(FDA)に提出したことから、アステラス製薬及び特許権者であるGilead社がHospira社に対して提起したもので、2022年5月19日、同地裁は、Hospira社による特許権侵害は認められないとの判決を下し、アステラス製薬は6月1日にCAFCへ上訴していました。
FDAは、2022年8月31日にHospira社の後発品申請を承認したことから、Hosipira社は10月5日を過ぎれば、CAFCが特許権侵害と判断する可能性をリスクとして踏まえたうえで、Lexiscan®の後発品の販売が可能となります。
Lexiscan®の2022年3月期での年間売上収益(米国)は、$725Mと小さくありません。
アステラス製薬は、本件による通期(2023年3月期)連結業績への影響は精査中であるとしています。
経緯については以下参照:
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